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今日の私
by かずき
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■『Mozart!』初日(軽いネタバレはあるかも)
行ってきました、噂の『Mozart!』初日(井上芳雄)。
いやもう本当に「初日!」って感じですわ。
何というか、1幕が始まってから しばらくの間ずっと、
「役をこなせている奴はいないのかぁぁぁ」と思いっぱなしで。
皆さん、歌はさすがに上手なんですよね。聞かせてくれる。
でもコンサートのよう。1曲終わり。あらすじ。次の曲。
翻訳がダメダメのようで、歌詞が聞こえないのもあって、
全然のれず、眠〜くなってきてしまっていました。

救ってくれたのは、シカネーダー(吉野圭吾)。
確かに役柄的にも明るくノリのいい役どころなんですが、
彼は、ちゃんとこなしていた。不出来な初日じゃなかった。
歌だけはイマイチですが、普段の彼を考えると非常に良い出来。
今後、これ以上の成長はそれほど多くは望めない気がするので、
他の人が出来上がってくると、相対的に輝きが減る可能性はある。
でもとにかく、初日にここまで持ってくるのは立派。感謝。
やっとストーリーが始まった感じで、ホッとしました。

それからは結構 面白くなってきたかも。
特に、ナンネール(高橋由美子)とアマデ(内野明音)がいい!
後半は ほとんど、彼らを追うことで舞台を把握していました。
ナンネールの、弟や音楽に対する複雑な思いには、少し涙も。
アマデの才能とそれに対する純粋さには、怖さを感じて。
ラストのモーツァルトの死の場面で2人の思いが続けて現れて、
もう私、ここでこの話は終わってくれ!と真剣に思いました。
なのにその後に つまらない振付のコーラス。だれまくり。

そういえばアンサンブルの踊りは、最初から最後まで退屈でした。
アンサンブルの人の踊りがというより、多分、振付が悪い。
でも、そこここにあるアンサンブルの人たちの1行ソロも、
どれもこれも辛うじて音が取れているレベルで、辛かったです。
メンバーを見る限りでは歌える人が揃っているはずなのに、
これもまた、練習が足りなかったのかな?という印象。

出来ている数人のおかげで、何とか「舞台」を観ましたが、
それ以外の人も、単体としてだけ見れば非常に面白かったです。
目当てだった祐一郎さんなんてソロ3曲!特に3曲目は
歌い上げまくってOKの曲で、ショーストップ状態。
昨日のフラストレーションは見事に解消されましたわ(^^)
彼に関しては、偉そうに立って朗々と歌っているのが
そのまま役柄なので、はまり役と言うべきなのかと(笑)
旅行の途中とか寝室などでの演技は ちっとも映えないけれど、
衣装も各種あり、歌詞にまで お遊びありで、楽しめて。

逆に市村さんは、今回は非常に辛いと思われました。
今日はまだ、どう演じるか決めかねた印象があって、
珍しく少し引いていたけれど、今後 市村節で決まってしまうと、
守りが主体の役柄とは合わなくなってしまう気がします。
今は ほぼ全員が中途半端だから目立たないけれども、
落ち着いてきた時点で悪目立ちしてしまいそうで不安かも。
久世さんの存在感は○。後は、音が取れれば更に良し。
でも花王おさむさんは、申し訳ないけれど論外。
できれば、キャストを変えてほしいと感じるくらい。

井上君@モーツァルトは・・・、まあまあかなぁ?
不器用に彼なりに家族を愛している1幕の感じは好印象。
でも2幕に入って、コンスタンツェ(松たか子)と愛し合い
周りが見えない バカップルぶりを発揮する場面のバカ度や、
「才能」から遠ざかった状態でレクイエムを書こうと
もがき苦しみ、死に至る場面などの真実味は薄すぎて。
ソロは完全に自分のコンサートだった松たか子ですが、
演技となると さすがの実力で、おバカ純粋だった時から
壊れていくまでを、結構見せてくれたのに、それと吊り合わず。
ラストシーンは完全にアマデの迫力だけで見せられた印象。
・・・ってつまり、演技力が必要な場面はダメってことか?(^^;

だから感想は「初日だし、こんなもんか」。
振付とか ちゃちいセットとか、変わりようのない点もあるけれど、
もう少し見てもいいかなぁと思えたのが、今のところは収穫。

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10月05日(土)
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