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たむけん日記
by たむけん
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■【続・北朝鮮拉致家族の帰国】
 拉致家族会への批判が高まっているという記事を読んで驚いた。
 私は、小泉首相に対して家族会が訴えたことは正しいと思っている。10名の安否不明者はもちろん、数百名とも言われる拉致被害者を一人でも多く帰国させるためには、首相訪朝という「最後のカード」は取っておかねばならなかった。
 北朝鮮は、拉致の件は一昨年に公表した約20名だけで済ませようとしている。その20名も、経済的に窮地に追い込まれた北朝鮮が、日本からの支援を引き出すための布石として「外交カード」を切ったにすぎなかった。10名の安否不明者は、まだ生存しているとしても、工作員への教育など北朝鮮の対日工作に深く関わっているから、そう簡単に帰国させるはずがない。
 日本が、これから一人でも多くの拉致被害者の帰国を実現させようと考えるなら、今、国会で審議中の経済制裁法案や特定船舶入港禁止法案を使いながら、北朝鮮を更に追い詰めるしか方法は無いと私も思う。北朝鮮に対する友好的な外交(様々な支援をはじめとして)が全て失敗だったことは、十二分に過去が証明している。家族会も、そう思っているからこそ、首相にあのように訴えたのだ。
 確かに核の問題もある。それは日本の安全保障上、重要であることは当然であるが、北朝鮮が、核についての交渉相手はアメリカと決めてかかっている以上、日本ができることは極めて限られている(せいぜい北朝鮮とアメリカのつなぎ役)。そんな中で、国交正常化を急ぐ意味はほとんど無いのではないだろうか。いくら近隣国だからと言って、日本に対して拉致という国家犯罪を犯している(それも過去形ではなく現在形で)国と国交を正常化する意味はどこにあるのだろうか?国交を正常化するには、犯罪をしっかりと認めさせる(そして生存者を帰国させる)のが最低条件だろう。
 小泉首相は「北朝鮮に首相が迎えに来ないとダメと言われた」と言い逃れをしているが、北朝鮮がそう言うのは外交上の駆け引きで当然のこと。北朝鮮を更に追い詰めていれば、自民党幹部でも大丈夫だったはずだ。今回の小泉首相の訪朝、そして国交正常化交渉再開というのは、今、北朝鮮に拉致されている人々を切り捨てるに等しい行為だったのではないだろうか。
05月26日(水)
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