ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7053,読書日記 〜平均思考は捨てなさい
<平均思考は捨てなさい─出る杭を伸ばす個の科学 トッドローズ>
* コロナ禍を機会に!
世界中が戸惑っているのがTV、PC画面を通して伝わってくる。自分は違うと
私も思っていたが、その最たる者だろう。目安が目標になる弊害の典型。
日本は階層化圧に対するつよい心理的抵抗が存在する。平準化圧である。
「全部ならして平らにしよう」とする圧力が、国民のDNAには存在する。
島国の特徴で群れの特質でもある。そこに、このグローバルのコロナ禍。
人生をノンビリと生きるには、それもいいが、味わいつくすには物足りない。
図書館で見つけて借りてきた本だが、この時節には最適な内容…
〜Amazonの読者レビューに秀逸な纏めがあった。
≪ 平均思考を捨てる3つの原理を個人的にまとめてみました(80ページより)
「私たちは誰もが他の皆と同じなることを目指す。いや、誰もが "他の皆と
同じこと" で "皆よりも秀でる" ことだけを目指す」
1.「バラツキの原理」
→あらゆるものの資質は、複数のものから構成されている。
2.「コンテクスト(状況)の原理」
→人は特定のコンテクスト(状況)でのみ首尾一貫している。
3. 「迂回路の原理」
→ゴールまでの最適な経路は個性によって決定される。
著者は、本書の核となる上記3つの原理が、平均思考から脱却できる方法と述べる。
本書に沿って詳しく見ていくと(先頭の数字は参照ページです)
1.「バラツキの原理」とは?
110 平均的なパイロット用に設計されたコックピットにフィットしたパイロットは、
一人もいなかった。
→身体的な特徴には、バラツキがある。(相関係数0.43以下)
119 IQテストのような一次元的な評価で知性を図ることは確実に誤解を招く。
→IQテストの数値が100でも、要素ごとの才能はバラツキがある。
(ex. 語彙、知識、計算、推量…)
124 学歴、功績、母校での評判は将来の予測の役に立たない。
→仕事ができる人物に共通する単一の特徴など存在しない。
2.「コンテクストの(状況)の原理」とは?
133 個人の行動の予測に、人格的特性は実際のところ役に立たない。
→人格的特性により決定される行動は全体のわずか9%
136 気質(ex. 内向的or外向的)によって行動が決まるのではなく、
状況で行動は決まる。
→人間には本質的な特性など存在しない。ある場面において内向的、
別の場面では外向的に振る舞う。
144 正直さもコンテクスト(状況)に左右される。
→テストの自己採点を行った生徒たちの道徳心には一貫性がなかった。
148 自制心(自己コントロール能力)もコンテクスト(状況)に左右される。
→直前に信頼できない大人と接した子供は、自制心が著しく低下した。
3.「迂回路の原理」とは?
165 癌の成長経路を平均した"標準的なモデル"通りの経路を辿ったのは、
全体のわずか7%
→同じゴールにたどり着くにも、大多数が複数の経路を辿る。
("標準的なモデル"は役に立たない)
170 学習するペースに柔軟性を持たせるだけで成績は向上する。
→マイペースで学習した生徒の90%は成績優秀者として評価された。
(同時進行で20%)
177 人生のあるゆる面において能力は順序正しく発達するわけではない。
→能力の欠如ではなく、道順の誤りであることに気づける。
以上の他にも
・平均思考が定着した歴史的な背景とは?
・一流企業(Google、マイクロソフト、etc…)の人材採用の特徴とは?
・個性を最大限に活かすための新しい教育モデルとは?
科学的な視点から考察されているので、非常に読みやすかったです。≫
―
▼ 1万年にわたってつくり上げてきた群れを極力、排除するのが細菌との
戦いで優先されると今さらいわれても… これは、5年間でなくて、数十年に
わたる人間の本質に関わる問題。それは大きい変化を伴う。私が住むのは城下町。
長年かけた平準化は、正否半々。
・・・・・・
6686,読書日記 〜哲学の女神との空想上の対談 ―3
2019年07月06日(土)
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