ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6413,読書日記 〜人生の黄金律
『砂漠と鼠とあんかけ蕎麦』 山折哲雄:五味太郎・対談
* 「殺すな」「盗むな」「嘘つくな」
なかなか面白い対談集である。
まずAmazonの紹介内容からして惹きつけられる
< 考えることの面白さを思い出させてくれる、過激でキュートな対談集!
ここまで言ってしまって、いいのだろうか?
絵本作家と宗教学者が、「神さま」について、延べ30時間にわたり、
とことん語りあった白熱の対談。
・そもそも「神さま」って、何?
・日本人は宗教を「感じる」民族
・「祟り」は日本のお家芸
・グローバリズム=「ノアの箱舟」戦略
・海とキリストと親鸞
・エコロジーと言うなら、間伐材で火葬せよ
・滅びる覚悟を持て=「無常」戦略…etc. >
――
カスタマー・レビューが簡潔に要点を書いている。
< 絵本作家の五味太郎と宗教学者の山折哲雄の不思議な組合わせの対談集。
対談のきっかけは、1995年の某TV番組での司馬遼太郎と山折哲雄の対談。
「神道とはどういう宗教なんですか?」と司馬が質問すると、
「あれは宗教ではありません、生活の礼節ですよ」と山折が軽く答えるのを
五味太郎が見て(この人はすごい!)とその瞬間から恋に落ちたらしい。
五味は早速「神って、いったい何ですか?」と聞いてみたくて山折に対談を
申し込んだ。という経緯で成立した、延べ30時間にわたる対談をまとめた
モノがこれ。
五味の素朴な疑問に対して、古今東西の知識を縦横無尽に駆使して答えを探す
山折のやり取りが見物です。ホントに山折先生、博識です。
一神教と多神教、その成立の背景は風土の違いによる、という指摘には納得
させられた。>
―
▼ 実を言うと、前回のテーマの『閑話小題 〜まず聞いてやること!』
の‘ユング心理学の真髄’のネタは、この本である。ここで、(そもそも
「神さま」ってなに?)の素朴な質問を、哲学宗教学者がアッサリと答える。
安易なればこそ、奥行きが深くなる。山折は、日本の近代にとって、20世紀
は夏目漱石の時代だったいう。 唐突に、「殺すな」「盗むな」「嘘つくな」
という、いわば人類的な黄金律を破り続けてきたのが人間という、強烈な認識
を文学作品にあらわした、これが漱石という。
ところが、21世の現在、これらが真に問われる問題に直面している。
北朝鮮の金様は、実権把握のため、恩人の叔父、実兄、身近な幹部を処刑。
ロシアのプーチンも、スパイ上りの昔とった杵柄で、対抗馬を処分。アメリカ
のトランプは、次つぎ露呈するスキャンダルに平気で嘘を重ねる。
「殺すな」「盗むな」「嘘つくな」の真逆、「殺し」「盗み」「嘘の上塗り」
を地にいっている。まだ憶えているが、中二の頃、隣の席に平気で嘘をいう
男がいた。この頃は危ない御年頃、少年から青年に一歩足を踏み込む時節。
フランスでは授業に哲学を取入れて、考える基礎を叩き込む。多人数家族で、
末っ子もあって、「他人の陰口と嘘は、絶対タブー」の暗黙の了解があった。
それは、子供の世界でも同じ。捻じれていても、嘘はつけない、つかないのが
当り前だったが、こういうのが、居るんだと。それと印刷屋の子供が、映画
の入場券を家から盗んで、ばら蒔いているのもいた。振り分け前なればこその
世界だからである。奇妙なことに、アンハッピー組は、ほぼ亡くなっている。
改めて、「殺すな」「盗むな」「嘘つくな」は、黄金律だが、悪口、陰口で、
「間接的殺人?」をし、「知恵は盗む」し、「尾ひれはひれの嘘話」を酒の
肴にしているのが常。それが全世界に近い人が、三分の二? その下位の
三分の一の約二割に、マイナーの八割が集中することに気づかない。
上辺の社会的役割に関係ないのは、金、トラ、プー、習の顔ぶれで分かること。
「何を偉そうに!」と思うのは当然だが… じゃあ、ヒトラー、スターリン、
毛、ムッソリーニの悪行と比較して、遥かに低いと見てとれるでしょうが…
いや、話の飛躍すぎ? 10の500乗の他宇宙の存在など知識が、
そう言わせているんじゃないですか?
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10月04日(木)
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