ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6383,読書日記 〜哲学と対決する ―4
『哲学と対決する』デヴィット・エドモンズ著
                    ウォーバートン,ナイジェル著
   * ソクラテスだね
 ◉ ジョナサン・グラバー
ソクラテスだな。彼の意見を多くを取入れてるからではないんだ。彼が全てを
発見したからだ。哲学をやっている人は皆そうだけど、僕も、ソクラテスが
発見した方法を使って教えている。
・まず、「これについて、どう思う?あなたの意見は?」と人々に問いかける。
・次に、最大限明確にするように要求する。「あなたが言いたいことは、こう
いうこと、あるいは、ああいうこと?」。明確になったら、正反対の例がある
ことを提示する。「それは君の見方だよね。だけど、このケースにこんな原理
を当てはめて考えてみたらどうだろう。君には思いもよらないだろうけど」。
それが哲学の方法さ。素晴らしいと思う。
・更にソクラテスは狭い学究的環境に自分自身を閉じこめず、市場に出て人々
に語りかけた。彼はチャンスさえあれば、フィロソフィ・バイツをやってたんだ。
私の意見では、あまりに多くの哲学者が哲学を一種の秘教的専門問題として
扱っている。それは大きな損失だよ。
 
 ◉ ディビット・エドモンズ
ソクラテスが上記の言葉を述べるに至った流れを軽く説明します。
まず生きるに値する人生というのは「善い」人生であろうと想定します。
ただ生きるのではなく善く生きるべきだと ソクラテスは言っています。
それでは「善い」というのはどういうことか?それは「悪い」ということが
分かった時に初めて その意味がわかります。そしてソクラテスは「善悪」とは
何かもっというと正義とは何かということを考えます。 そして
「善と悪は相対的ではない」という結論に至ります。私はこれを初めて読んだ時
(多分中学生でしたが)「ソクラテスは何を言ってるんだろう?善悪なんて
相対的に決まってる」と思いました。あることが「善いor悪い」というのは
畢竟するに社会が決めることです。極端に言えば殺人でさえ戦争中は認められ
勲章すらもらえます。これはその社会が殺人を善としているからに他なりません。
その他のことについても善悪は基本的に社会がきめているはずです… 
それならば社会や政治によって変わる「善悪」は当然相対的であって絶対的な
善悪なんてあるはずないと私は最初にソクラテスを学んだ時は考えていました。

 ◉ マイケルサンデル
一時期、正義とは何かでブームになったハーバード白熱教室の
マイケルサンデル氏の著作にあたると分かりやすい説明があります。
ソクラテスは「善と悪は絶対的だ」と主張します。(何故か気になる方は
本をお読みください)そしてそれは「問いかけと推論」を通じて見つかり
しかもその時初めて道徳と知識は結びつくのだと言います。
(私の最初の考えは「問いかけ」不足です。)
ということは「問いかけ」をしない人生というのは「無知な」人生で
「道徳を欠いた」人生ということになります。それは「善き」人生ではなく
生きるに値する人生ではないということになります。
よって最初に書いた「吟味されることのない人生など生きるに値しない。」
という名言になるのです。

・・・・・・
6017,ルネッサンス
2017年09月04日(月)
   * 近代の始まりは、「ルネッサンス」から
 14〜16世紀は中世と近代の境目で、哲学ではデカルト、芸術ではダヴィンチ、
ミケランジェロなどが活躍。テーマの「ルネサンス」は、中世の微睡みを打破
する「文芸復興」を目指す運動をいう。
  〜ネット辞書によると〜
≪ 14〜16世紀のヨーロッパ社会の転換期に起った革新的な文化運動。
renaissanceは「再生」を意味するフランス語だが,「文芸復興」と訳される
ことが多い。ギリシア,ローマの古代文化を理想とし,それを復興させつつ
新しい文化を生み出そうとする運動で,思想,文学,美術,建築など多方面に
わたった。まずイタリアで始ったが,それにはいくつかの条件が働いていた。

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09月04日(火)
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