ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6326,閑話小題 〜今年も半期の終了 −7


   * 〜スイス 名門寄宿学校〜 W 『ボー・ソレイユ』
 様々な授業を紹介していたが、「地理」が、非常に面白い。
マダガスカルの貧困問題の扱いの切口が良い。同じような年代の真逆の立場の
少女の悲鳴に似た訴えを紹介し、キーワードを幾つか提示して、考えさせる。
ある生徒の一日の使用水道量が、マダガルカルの少女の運ぶ数十、数百倍の量と
知らしめる。

≪ 地理ではリーダーシップというテーマをもとに、アフリカのマダガスカルの
 水問題についてケーススタディをします。水を得るために一時間かける女性。
安全とはいえない水を19L頭に抱えて女性は水を運びます。それを一日に3〜4回。
マダガスカルは貧困を抱えています。先生は女性が持っていたのと同じ19Lの水を
用意し生徒に運んでもらいます。生徒たちと同じ年代のある女の子(ララ)は
最貧の地域に住んでいます。ララは靴もなくはだしで泥道を水くみに出かけます。
ララは次のような詩を詠みました。
< 私の一日もあなたの一日と同じだったらいいのに
  学校に行って勉強して公園で遊ぶの
  頭に浮かぶのは蛇口をひねるだけで出てくるきれいな水
  歯磨きしてシャワーを浴びるのもいいわ >
地理の先生は生徒たちに問いを投げかけます。生徒の一人が自分たちは水を
無駄遣いしていると言いました。またある生徒はどんな気持ちか想像します。
ある生徒はその水はどんな用途に使うのか質問しました。先生はララのお母さんは
子どもたちの面倒を見なければならないので水を運ぶことができないと言いました。

地理の先生は貧しい地域の人々についていくつかのカードを示しました。
 •公衆衛生
 •子どもの健康のケア
 •教育
 •栄養
 •疫病の予防
 •食の安全確保
 •妊婦の健康ケア
 •住宅環境
 •女性の社会進出

自分がリーダーならどのキーワードから優先して取り組むか生徒たちは考え
三人一組で話し合いカードを優先順に並べます。女生徒のグループは妊婦の健康
ケアが一番大事だと答えました。多くの生徒が女性の社会進出は優先度が低いと
考えました。先生は女性の社会進出が進まず地位が低いままで職にも就けなければ
一番大事だと言った妊婦の健康ケアは改善されるのか?子どもを産む機械として
利用され続けるだけではないかと問題を投げかけます。女生徒はまず力を持つ
男性とともに解決し… …わからないと答えました。地理の先生エリオット・
グリーン氏は裕福な家庭の子供たちが旅の経験や両親の仕事、授業から学んだ
ことを議論してもらい、将来持つであろう財力と影響力で世界が直面する問題に
取り組んでもらいたいと語ります。

生徒たちは年十三カ国を旅して自分の目で世界を知ります。
キリマンジャロへの登頂に挑戦することもできます。   ≫


▼ 半世紀近く、早朝と、午前中に数時間の読書習慣を持って、それまでの基礎
 知識不足をホローしてきた。受験システムに縛られ、自らも格付けをしていた
愚かさに気づくことが、第一歩であった。英会話能力や、対話力、文章化能力は、
付け焼刃では、直に欠けてしまう。このような指導と、長年かけたベースの知識が
必要となる。その理想形の教育システムが、これである。このスイスの寄宿舎が
素晴らしいのは、スイスが長年、中立国家で、権力者の手前勝手な価値観から、
解放されていることが重要である。「何が英国王室だ、日本の天皇だ。」を、
スイスの山麓で気づくこと、それが、教養ということ。そう、それぞれの内側から
見えている世界としての世間だけでなく、その真逆の視点に気づくこと、多様な
世界を知ることの必要性に気づくこと。特に、ネット社会こそ、理想形の、知識
獲得が必要になる。「クールヘッド、ウオームハート」こそ、情報化社会の絶対
条件といえる。 でないと、世間人の典型の、「ウォームヘッド、クールハート」
で、近所の500mを、徘徊するだけで… あれらは小池のホワイト・ナイトですか。

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07月09日(月)
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