ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5562,フーテンの寅の、本質と家族の幸せとは 〜④
* 妹役、さくらの誕生 <山田洋次:名越康文 対談>より
山田洋次の「さくら」を作り上げたエピソードが面白い。
兄、妹にも相性があって、相性の良いと、本当に可愛いらしい。
駄目な兄と、しっかり者の妹の「さくら」の関係が何ともよい。
浅草に「寅さん」の銅像があるが、今度、「さくら」の銅像が出来るという。
その「さくら」誕生のエピソードが面白い。
≪ 名越:両親の愛情を十分に受けられなかった寅さんにとって、
やはり異母妹のさくらの存在は大きいですね。
山田『男はつらいよ』の設定を考えていた時、さくらが生まれるヒントに
なった話に巡り合ったんです。それは、ある女性作家の、今から四十年以上前
の実体験でした。彼女はある日、東京から大阪に引越すため、汽車に乗ります。
そこに、ヤクザになっていた兄がやってきて、久しぶりに兄と妹が再会する。
そうこうしているうちに、発車のベルがジーンと鳴る。その時、急に兄貴が
「おい、気に入らねえ奴いるか?」と言ったというんです。そういう奴がいたら、
俺が殺してやる、ということでしょうね。
名越:すごい場面ですね。
山田:この話を知ってから、いろんなことを考えました。一体、お兄さんに
とって妹とはどんな存在だったんだろう。もしかしたらお兄さんは、
「俺はこいつを不幸にしているんじゃないか」と思えてきて、妹が急にかわい
そうになったのかもしれない。最後の言葉の意味は、「アイラブユー」です
からね。もしこの妹をひどい目に遭わせた人間がいたら、俺は生かしちゃ
おかない、と。
名越:鮮烈な絆の表現です。
山田:だから、寅にはそういう妹がいるんだなと考えたんです。
名越:四十八作を観て気づいたことは他にもたくさんあります。
たとえば、寅さんって世間にはふられてばかりだと思われているけれど、
実はかなりモテる(笑)。シリーズの三分の二くらいモテています。
山田:寅に会えて友達になって、「私、とても幸せだった」と言うマドンナは
たくさんいます。でも、寅は、結婚については、決定的に自信がなかったん
じゃないでしょうか。結婚生活には、恋愛関係の先に、もう一つ大きなバリア
があって、それを乗り越えなければ結婚はできない。男と女のドロドロした
関係が生じることに、寅は我慢できない。そこが寅の哀れさでもある。
名越:寅さんは草食男子のような'ところもある。女性に対する不安や恐怖心を
持ってますよね。≫
▼ 20歳で、創業人生を志したことで、パートナーの人選に慎重になっていた
上に、4人の姉たちのドロドロ?した様々な結婚生活の実態も見知っていた。
さらに姉4人との遜色ないバランスを考えると、安易な妥協もできないジレンマ
があった。「この人と一生?」と思うと、そうそういないもの。で、「 」。
「寅さん」は、あくまで無知故に何ものにも捉われない想像上の人物像。
こんなのがいたら、周囲の人間まで巻き込まれ炎上されてしまう。その際どい
狂気が、物語を育んでいくとしても・・
・・・・・・・
5197,歩くことが人間の特徴
2015年06月07日(日)
養老孟司の対談の中で、「人間の身体は、走るでなく、立っているでなく、
歩くに都合の良いように出来ている」という。考えるとき、独り黙想をしながら
歩くのが良いというのも、歩いている方が自然体のためである。
★ 養老孟司対談より
≪ 養老:例えば、歩くのは人間の特徴です。速く走るのは苦手だけれど、長距離
を歩くのは動物の中で一番得意なのです。そういうことは殆ど教えられません。
人間は、単に転ばないように重心を移しながらバランスだけで歩いている。
四つ足の動物は自分の力で体重をまともに移動させなければならないのです。
田部井:人間は走ることではなく歩くのに向いている。そう痛感しながら、
山を登っているのです。
養老:だから、アフリカで発生して、南米まで行けたのです。あれは歩いて
行ったに違いない。アジアを通り北米を経てアメリカ大陸の南の果てまで。
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06月07日(火)
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