ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■5420,人生で最も大切な技術 ー③
        『幸福の探求―人生で最も大切な技術』マチウ リカール著
   * 幸福の探求
 目次をそのまま掲載したことはあまりないが、深く立入り、全体を俯瞰する
ためにも、あえて載せることにした。目次をランダムに、いずれのページを
開いても、深い響きが届いてくる。「著名な哲学者の父親があってこそ、この
人物あり」を思わせる構成である。西欧文明の真只中で英才教育?の素養が
あればこそ、チベット仏教の真髄が見える。 中村天風の『積極一貫』
『絶対肯定』の人生への姿勢と似ている。中村天風も、チベットで偉大な師
について修行している。
  〜目次〜  ●幸福の探求
 はじめに
第1章 幸福に関する名言        第13章 羨望
第2章 幸福は人生の目的から      第14章 自由への大いなる飛躍
第3章 両面の鏡 内から外から     第15章 幸福の社会学
第4章 見せかけの友         第16章 幸福の実験
第5章 幸福は可能か         第17章 幸福と利他心
第6章 苦しみの錬金術        第18章 幸福と謙遜
第7章 エゴのべール       第19章 楽観主義、悲観主義、世間知らず
第8章 自分の考えが一番の敵になるとき 第20章 黄金の時間、鉛の時間、 
第9章 感情の川            第21章 時の流れと共に
第10章 厄介な感情とその治療法    第22章 幸福の倫理学
第11章 欲望             第23章 死を意識した幸福
第12章 憎しみ            第24章 道
                   瞑想の実践  あとがき
 ーー
 「まえがき」の、何ゆえ、順調なキャリアを捨て、チベット仏教徒に
 なったのか? 親子の葛藤はどうか? 〜その辺りを抜粋する〜
《 ・・前途洋々に滑り出したかに見えたキャリアを唐突に放り投げて
 しまおうとする私に対し、父は失望を禁じえないようすだった。しかも、
「仏教に反対するつもりは毛頭ない。純粋で率直な仏教的教えは、各種
の宗教的教義の中でも独特の立場を確立している。究極の厳密さを要求する、
西欧の哲学者からも重視されていることは事実」と好意的に話しているとは
いえ、確信的な不可知論者である父が、仏教を真剣に受けとめる日が来よう
とは夢にも思わなかった。久しく顔を会わせないのは当り前で、父のほう
からダージリンとブータンまで足を伸ばして会いにきてくれたこともあった。
記者の質問に対して、「息子との間をさえぎる雲があるとすれば、それは
アジアのモンスーンだけだ」と応じている。
 こうして私が発見したものは、盲目的な信仰心の強要ではなく、
豊かで実際的な心の科学、利他の心に基づいて生きる技術、深遠な哲学、
内側を本質的に変革する精神的鍛錬などと表現できるだろう。この35年間、
私が理解してきた科学的精神と矛盾すると感じたことは一度もない。
<仏教とは要するに、経験主義的な真理の探求に他ならない>のである。
こちらに来て、「常に幸福」な状態が続いている、という人物に何人も
出会っている。これらの人たちは、一般的に考えられている幸福な人とは
異なり、現実とは何か、何が心の本質か、などを深く洞察し、他者に対する
慈悲心に満たされた状態にある人たち、と呼ぶに相応しいだろう。生まれつき
人一倍幸福を感じることのできる人は世間にたくさんいる。だが、彼らの幸福
は脆くて不完全なものである。これに対し、永続的な幸福を体得するには技術が
必要であること、内側の平静さ、今この瞬間の気付き、利他の心に根ざした愛、
といった人間に本来備わっている能力を開発するには、それなりの努力と訓練が
必要であること、などが次第にわかり始めた。深遠で静寂な観想の方法論と
英知を言葉と行動で具体的に範を示してくれる生きた見本に直に触れる、
という経験は、間違いなく充実した人生を歩むためのお膳立てができた、
といっても過言でない。「私の行動は真似せずに言葉にだけ従え」といった、
真理の探究者を失望させる、多くの教えとは一線を画す本物の教えに

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01月16日(土)
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