ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■3539, 価値観の中心の書き換え
* 人生の転機
なかなか面白い人生に出会った。「価値観の中心の書き換え」の話である。こういうことに人生の早い段階で気づいて、
転進する人もいるのである。凡人には出来ないこと。父親の存在もあるのだろう。多くの矛盾した気持ちもあったろうに・・・
【 ジョン・ウッドは大学院を出て九一年から七年間、マイクロソフト社で猛烈に働いた。人が羨むような多額の報酬を得ていた。
広くて快適な部屋、運転手つきの車、制限なしの出張旅費。そんな男が初めての長い休暇をとりネパールにトレッキングにやってきた。
偶然、ある村の小学校を訪ね、図書館はあるものの本がまったくない現実を知った。ネパールの非識字率は七〇%である。
子どもたちは勉強したくても教材がない。ウッドは自由に本を読めた少年時代の自分を振り返って身につまされ、先生と子どもたちに
今度来るときは本を持ってきますね、と約束した。それが始まりだった。
仕事に見合う報酬はもらっていたが、つねにプレッシャーとストレスがあふれていた。「墓に入ったら好ぎなだけ眠れるから」と、
自分に言い聞かせていた気もする。でも七年間ずっと、ある疑問を感じてもいた。これが人生のすべてなのだろうかー働けぽ働くほど
稼げるということだけが。僕は企業戦士の特殊部隊として生ぎる道を選んだ。休暇はとりたいやつがとればいい。
本物の戦士は週末も働き、航空会社のマイレージを何万マイルも貯めて、拡大しつづけるマイクロソフト大国で自分のミニ王国を築く。
忙しいと文句を言うのは、会社の将来を考えていない証拠。『マイクロソフトでは出会えなかった天職』ジョン・ウッド・ランダム八ウス
ウッドは友人たちに本集めに協力してもらい山のようなメールを送った。徐々に本気になっていった。やりがいを覚えるようにもなった。
一年後、四四〇キロの重量の本を持って、ウッドは父とともにネパールに帰ってきた。学校では歓迎式典が準備され、感謝の言葉と
笑顔に迎えられた。 カトマンズの僧院で自問する。鐘が鳴り、数秒間の沈黙が流れた。そして三〇人の修道僧が、のどを低く鳴らして
お経を唱えはじめた。 暗がりのなかで数百本のろうそくが揺れている。僕の心のなかは、平穏どころか大混乱していた。
二つの強い力が正反対の方向に引っぱり合っていた。マイクロソフトは僕を昇進させ、二日後にはいつもの生活に戻らなけれぽならない。
でも反対側では、僕にとっての優先順位が急激に変わりつつあった。数百万人の子供が本を読めずにいるというのに、台湾で来月
ウィンドウズが何本売れるかということが、本当に重要なのだろうか。ネパールの子供一10人中7人は生涯読み書きができないというのに、
香港の電子商取引ビジネスで先手をとろうとか、中国の海賊版対策に力を入れようとか、そこでウヅドはマイクロソフトを辞めて、
この仕事に従事する決意をする。 ふつうではちょえられない決断である。・・・これは価値観の中心に置かれたものの書き換えである。
人によって価値観の中心に置かれたものはさまざまである。その周縁にもいろいろな欲望が分散している。しかしウッドの価値観の中心が
「成功」から「奉仕」へ入れ替わったのだ。かつて不動の神として中心に鎮座していたものは周縁に吹き飛ぽされたのである。
ウッズはまったく新しい価値観、人生観、使命感のなかで生きはじめたのである。人にはこういうことが起こりうるのだ。
何百年前の欲望と基本的には大差ないという気がする。現在の「成功者」たちの到達点は、死ぬまで金の心配をすることなく、
遊んで暮らすことである。現在でも事情は変わらない。小さい家を大きく広くし、車1台を10台にしてだけである。
2泊3日の小旅行を三〇泊三一日や半年間の海外旅行にしただけである。その差が大きいのだ、といおうというまいと、大差ない。
満足度にも楽しさにも、大差はない。】 ービジネス書大バカ辞典ーより
ー以上だが、人生の転機を自ら見出しえた男の物語である。決して恰好が良いことではないが、本当に喜んでくれる人達のため、
捨て身で人生を投げ打つ覚悟は、並大抵ではない。逆にいえば、それだけ仕事のプレッシャーも大きかったのだろう。
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12月03日(金)
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