ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■1494, いま・現在について−2
「どうせ死んでしまう」−1   
          ー読書日記ー
          
  ー私は哲学病ー

究極の、刹那的な言葉といえば
[どうせ死んでしまう]である。
「これを言っちゃーお終いよ」という言葉である。
しかし、尽きるところ、それである。

「いま」を考える時、キーワードとして
「永遠」がある。
しかし、「どうせ死んでしまう」という言葉を考えると
「永遠」と「いま」という言葉に行当たる。

生は限られている。
所詮はどうせ死んでしまうのである。
それがハッキリしているから、いろいろな問題が発生するのだ。

個々人にとって、自分の死が基点になる。
自分にとって自分の死が大ごとで、全てといってよい。
目前に死を覚悟した時、「いま」という瞬間に気持ちが集中する。
そして、その一瞬一瞬に永遠を感じる。
最後と覚悟した花火や花見の中に永遠を見るのである。

その死にたいして誰もが根本的に不安がある。
その不安はどこまでも付きまとうものである。

その不安に対して、宗教が昔から死の向こうに来世を設定をして
人々の心に秩序を与えようとしてきた。
しかし、来世だけでは理屈に合わない。
現世にも秩序ある生と死の意味をつくらなければならなくなった。
哲学は、それを言葉で徹底的に追求しなくてはならない。

この人(中島)の哲学視点はリアルで露悪的であるが、
その辺が私は好きなのだ。

以下は、面白そうなところを抜粋してみた。
この連休の暇つぶしに、パソコンに打ち込むのに丁度良い。

ーーーーーーーーー

・・・学問や芸術に専念しているものたちよ、
あるいは社会的に有益なことをしていると自覚している人々よ、
なかでもその仕事が世間的にわずかでも評価されて幸せを感じている輩よ、
いちどすべてを無理にでも反省してみたらいかがであろう。
そのために費やした膨大な時間(青春)は、
はたして無駄ではなかったのか。
あなたがそれをする必要があったのか。
あなたがしなければ、何か困ることでもあったのか。
あなたがしなければ、
ほかの誰かが(ずっとうまく)し遂げたのではあるまいか。
つまり、その仕事は、あなたにとってのみ、
あなたの生き甲斐としてのみ重要だったのではあるまいか。
 
・・・・明日でも死んでしまうかもしれないあなたは、もっと欲深くなければならない。
あなたのしたいことは、善人たちの生暖かい吐息を吹きかけられ、
静かに満足をして死んでいくことだけなのか。そうであるはずがない。
あなたの欲望の火をふたたび燃え上がらせよう。
そして、悪魔と契約をして、少年のようにあらたに冒険の旅をでよう。
たとえあなたを待つものが壮絶な死であろうとも。

・・・・・・賢い人達は、狂気の手前で真理に突き進むことをやめる。
あっさり真理をあきらめて、自らの心の安寧を保つために休養に入る。
しかし、真に哲学をするものはそうであってはならない。
人の真のあり方は、狂気と引き替えにようやく手に入れることが
出来るようなものである。
それは、もともとわれわれの肉体を焦がして激痛で飛び上がらせる灼熱の玉なのだ。

いま地上の生息している数十億の人々もみんな死ぬ。一人残らず。
しかも、一回限りの自分の固有の死を死ぬ。大変なことである。
だが、人は直視しようとはしない。
そして、マイホームの建設に、自分の昇進に、息子の進学に、失業対策に、
9・11以降の世界情勢に、未来の地球環境建設にかまけている。
もう少しで、自分が地上から姿を消してしまうのに!
ハイデッガーは、悪趣味なことに、忘れようとしている[死]を
各々の鼻先につきつけて「みろ!」と叫ぶのだ。

みんな、人生がはてしなく理不尽であり残酷であること、
[自分が死すべもの]であることを味わい尽くそう。
そして、悪魔の声にしっかり耳を傾けて、まっすぐに没落していこう!

  ーーー
「どうせ死んでしまう」
  角川書店 中島義道著
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