ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[398648hit]

■1490, 24歳の日記ー4


4月1日  1970年

一番大事なことは、誠実である。
誠実さを持てば自ずから幸福につながる。
言葉というものは、いわば自由な消費財と捉えられる。
しかも、その消費財を使う消費者は生産者を兼ねている。

何か解ったような解らないような。
父親に言われる、
「人間、自分が将来に希望を持てないようだったら死ぬべきだ!
 周囲に迷惑がかかる。死ぬなら今のうちだ」

4月11日

10日間、両親と三人で四国に行ってきた。
両親と三人で旅行するのは、今迄で初めてである。
考えていたより、素晴らしい旅行であった。
良い思い出になった。

特に、香川の坂出の夕陽のオレンジ色の輝きは生涯忘れることができないだろう。
生まれてみる初めて見た自然の輝きであった。
瀬戸内海の景色の中の波の照り返す黄金の輝き!
学生時代に湘南で見た夕陽とは、また違った輝きであった。

それと、両親と旅行することも二度とないだろう。
かなり加熱していた頭を冷やすのに丁度良い。

中原中也の詩「山羊の歌」の中の
ーあき・修羅街輓歌ーと、
ーみちこ・汚れてしまった悲しみにーが、
 今の自分を慰めてくれる。
いまの自分の心をそのまま表現している。
心の傷を消毒をしてくれる。
強くあらねば!

 ーーー
  
ー修羅街輓歌ー
 
 序 歌

忌はしい憶ひ出よ、
去れ! そしてむかしの
憐みの感情と
ゆたかな心よ、
返つて来い!

今日は日曜日
縁側には陽が当る。

ーもういつぺん母親に連れられて
祭の日には風船玉が買つてもらひたい、
空は青く、すべてのものはまぶしくかゞやかしかつた……

忌はしい憶ひ出よ、
去れ!
去れ去れ!


 U 酔生

私の青春も過ぎた、
―この寒い明け方の鶏鳴よ!
私の青春も過ぎた。

ほんに前後もみないで生きて来た……
私はあむまり陽気にすぎた?
―無邪気な戦士、私の心よ!

それにしても私は憎む、 
対外意識にだけ生きる人々を。
―パラドクサルな人生よ。

いま茲に傷つきはてて、
―この寒い明け方の鶏鳴よ!
おゝ、霜にしみらの鶏鳴よ……


 V 独語

器の中の水が揺れないやうに、
器を持ち運ぶことは大切なのだ。
さうでさへあるならば
モーションは大きい程いい。

しかしさうするために、
もはや工夫を凝らす余地もないなら…… 
心よ、
謙抑にして神恵を待てよ。


  W 

いといと淡き今日の日は
雨蕭々と降り洒ぎ 
水より淡き空気にて
林の香りすなりけり。

げに秋深き今日の日は 
石の響きの如くなり。 
思ひ出だにもあらぬがに
まして夢などあるべきか。

まことや我は石のごと
影の如くは生きてきぬ……
呼ばんとするに言葉なく
空の如くははてもなし。

それよかなしきわが心
いはれもなくて拳する 
誰をか責むることかある? 
せつなきことのかぎりなり。


 ーーー

ー汚れつちまつた悲しみに ー

汚れつちまつた悲しみに
今日も小雪の降りかかる

汚れつちまつた悲しみに
今日も風さへ吹きすぎる


汚れつちまつた悲しみは
たとへば狐の皮裘

汚れつちまつた悲しみは
小雪のかかつてちぢこまる


汚れつちまつた悲しみは
なにのぞむなくねがふなく

汚れつちまつた悲しみは
倦怠のうちに死を夢む


汚れつちまつた悲しみに
いたいたしくも怖気づき

汚れつちまつた悲しみに
なすところなく日は暮れる

・・・・・・・・
・・・・・・・・

2004年05月02日(日)
1125, 酒について (ああ、酒よ!)

「神はこの世を六日間で創り給うた。そして、第七日目には、二日酔いを与え給うた」
というとおり、酒はよいことだけではない。。

[5]続きを読む

05月02日(月)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る