ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7068,閑話小題 〜コロナ禍後は…‘光陰、矢の如し!
吐血ばかりでやせ細り、死へ向かっていた中村天風はインドと東ネパールの
国境に位置するカンチェンジュンガの山麓のコーグ村で厳しい修行に入ります。
滝の前で瞑想したり、師に出された課題をひたすら考えたり……。
それは、生きるために行なう背水の陣のごとき修行。ヨーガは、悟りや奥義を
師から弟子に口で教える事はほとんどありません。 課題に関しての答えは、
自分で見つけ出さなければいけないのです。初めは、身体の調子にばかり
とらわれていた天風。
師に「元気か?」と問われ、「どうも、調子がすぐれません。」と返す。
「私は、お前の体の状態を問うているのではない。」とカリアッパ師。
瞑想と師とのやりとりの中で天風は、身体ばかりを意識するのではなく、
「心の持ちよう」で生きていると、心身が変わってくる事を体得する。
やがて、インドの山奥で無の境地を悟った中村天風。それを悟ると、身体はみる
みる良くなっていった。≫
―
▼ それまでも、様ざまな精神論の本を読み、日常生活に取入れてきたが、
これほど生々しい体験を背景に説いた論に驚いてしまった。
天風哲学の基本は“笑顔”。悲しい時、つらい時、そんなときは無理にでも笑顔
を、作ってみる。そうすれば自然と楽しくなってくるというのが、天風哲学の
根本にあります。おかしくもないときに、「アハハ」って笑うと、おかしくなる。
【 2005/06/30
1549, 宇野千代
宇野千代が代表作「おはん」を書き終えた後に、一行も書けなくなってしまった。
そこへ中村天風が
「今度ね、自分の頭の中に舞台をこしらえて、その中でいろいろ、あの女と
この男とひっつけよう、この男とこの男とこうしようというふうに躍らせながら
そいつを書いていったらいいだろう」
「出来ないと思うものはできない。出来ると信念することは、
どんなことでも出来る」と言った。
「いい事聞いた!」宇野千代は、それいらいスランプを脱し、書く文章も変った
という逸話がある。
この天風の言葉を、スットンと脳に入れてしまう彼女が凄い。 彼女は中村天風
の弟子であり、その教えの実践者である。天風の言葉が、彼女の中で血肉になって
明るく具体的に噛み砕いているところがよい。】
6年前に改めて読んでおくべきだったが、机後ろの書棚にあったのに、手に取ら
なかったのは何故だろうか。平静を装っていただけで、動転していたのだろう。
07月21日(火)
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