ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6423,旅行の話 〜パックツアーの構造 ―4
《…1955年から定期的に行われてきたSSM調査(社会階層と社会移動全国調査)を
 主な資料として本書が明かすのは、「実力でのし上がってきたが故に実力主義
社会を理想としているエリート層こそ、実は親から受け継いだ目には見えない
「財産」によって、しごく当たり前の階層に落ち着いていた」という悲喜劇だ。
そして、高度経済成長期に努力してのし上がっていたと思われがちな団塊世代の
時点において、すでに階層を決定する選抜システムは飽和し、閉鎖性が高まり
だしたと論じている。こうした階層化と階層の閉鎖性を是正させるために著者が
必要性を説くのが、選抜機会の多元化(学歴以外の選抜方法を増やす)と、世代
間での不平等感の緩和である。その例として「カリスマ美容師」を使って著者が
説明している箇所は、今となっては少し時代遅れだがユニークな発想で、詳しく
は本書を手に取ってみてもらいたい。
 そんな中、著者が論ずるのは「機会の平等」をいかに創出するかである。
しかし、議論していくうちに著者は「機会の平等」が、構造的に「後から」に
なってからしかわからない、という事実に気づく。 なぜなら、原因となる
「今の階層分布」と、結果として生まれる「未来の階層分布」の比較衡量が必要
なわけで、哲学的な命題のようだが、今は永遠に「未来」にはならないのだ。
そこで踏みとどまり「わからない」と言い切ったところに、著者の知性を感じる。》

▼ 「三つ子の魂」ではないが、そこで人生のベースが形成されているようだ。
 「この人には適わない人」と何人かクロスしてきたが、当時は何だろうとまで
考えるに至らなかった。「年間数百万かかる慶応幼稚舎からの一貫教育してきた
人と、公立のコースを歩んできた人とは格差が出るのは当然。鼻持ちならないと
しても… ベースの差だけはいかんともし難い現実。 この中で、
《ホワイトカラー上層部分(大企業や官庁の管理職)が団塊世代以降、受験と学歴
を通して閉鎖されるようになった。また「腕に覚えのある」ブルーカラー層の
開業率の低下により学校を経由しない補助的選択ルートが無くなったことも、
大きな変化と指摘している。学校選択ルートの」」・成功者たちは、平等という
競争という外観のために、階級意識なしに階級を構成するようになった。しかも、
これらの成功者たちは選択ゲームの敗者の意欲を削がないために偏差値批判や
学歴批判を行って成功について自己否定をして、同時にエリートの責任解除を
自ら行い続けている。… ⦆
 この結果、ぎらつくエリート意識も権力欲もない社会的上層部分がつくられ、
「一億総中流」の終わりと、経済的弾力性が失われることになる。その結果が、
現在の日本経済と失落原因になっている。3人の義兄が、その典型だったが… 
残る兄と、義兄と、私を含めた三人は、時代の変化についていけず、この結果。
 何れの人生も、<恐ろしい身近な現実>の様相を示すが、それも雷光の一瞬!
【上を見ればきりがない、下を見れば底がない、横を見れば情けない】ですか。

10月14日(日)
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