ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6388,閑話小題 〜まだまだ続く、豪雨、台風、地震、そして熱暑 −2
・中央の監視室はマジックミラーになっていて、囚人からは監視室内が見えない。
よって囚人は常に規律に従わなくてはならない。やがて誰に強制されるでもなく
自ら規律を守るようになる。この効果により、いつしか人は社会の矛盾に疑問を
持たなくなり、彼らの常識から外れた人を、「狂人」として排除していきます。
・フーコー、民主主義を作り上げた権力を「生の権力」と呼び、それが一般常識
を作り上げたと考えた。 … ≫

▼ 日本には『神』が存在しない代わりに、『世間』が存在する。身近な人間
関係では、狭い分、相互監視システムが強く働く。島国・日本は国土が小さく、
雨量が多く、多湿の、均質の価値観に飼い慣らされている。その枠内で、静かに
呼吸し、お互いに気を配りあう。 誰もが、円環の内側の独房に閉じ込められ、
息を潜めて暮らす。見えるのは視界の三分の二と、監視塔。それが、私たちの
日常に組み込まれている「世間の視線」。実は、これが妄想。それに気づくのは、
「生老病」に直面した後の「死」に直面したとき。独房の住人は、監視室と、
視界内の、独房の思惑の呪縛に怯え暮らす。それらから少しでも自己解放する
には、運動時間で身体を動かすか、読書か、瞑想を取入ること。長年かけた
脱走の準備もある。まずは、自分が、この監獄の住人ということに気づくこと。
 妄想を取り払い続けないと、「あのゾンビ」になってしまう。外側の世界も、
内も、広く、深い世界が広がっているのに… 他人事ではなく、私を含めた、
それぞれの「自分」のこと。今では、スマートフォンという便利な小さなカメラ
という名の監視塔を各人が持ち始めたから始末が悪い?いや良い?

09月09日(日)
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