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堀井On-Line
by horii86
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■6356,読書日記 〜努力の趣味化
同社の20周年作品で、“感情”そのものを複数のキャラクターで表現する
コンセプトを初めて知ったとき、「今度はそう来るか!」という期待と、
「ファミリー層には難解かも?」との懸念が相半ばした。
物語の外側=人間世界の主人公は11歳の少女ライリー。
ミネソタの田舎町で両親の愛を一身に受けすこやかに育ってきたが、家族で
引っ越したサンフランシスコでの暮らしに馴染めず、気持ちが不安定になる。
この辺から、ライリーの内側=脳内世界のヨロコビ、カナシミ、イカリなど
5つの感情たちがダイナミックに動き出す。彼らがいる司令部から、ある事件に
よってヨロコビとカナシミが放り出され、広大な思い出保管所に迷い込む。
感情の制御がきかなくなったライリーを救うために、ヨロコビたちは司令部に
戻ろうと駆け回るが……。
ライリーの外側で起きるドラマと内側の感情たちによる冒険が、相互作用
しながら平行して進む――聞いただけでは複雑そうだが、実際に観てみると、
繊細な表現で魅力的に描かれたキャラクターたちと、心理学などを踏まえた
深みある設定、創造性に富んだ展開に94分間引き込まれっぱなし。
CG描画の面でも、うっとりするほどリアルな質感を伴うサンフランシスコ
の街並み、柔らかい光の粒で描かれた感情キャラたちの揺れる髪、さりげなく
視線をいざなう仮想カメラの滑らかなポジション移動など、技術の進歩を
印象づけるビジュアルと卓越した演出センスが随所に光る。 ・・・
鑑賞後は、頭の中が解きほぐされ、心がふわりと軽くなった。(高森郁哉)≫
▼ ヨロコビに影のように付添うカナシミの役割を解りやすく示している。
カナシミは色いろの記憶を悲しみに書き換えてしまう強力な力を持つ反面、
ヨロコビを引きたてる力を持つ。ここでは、イカリに対して、注目されて
なかったが、実はイカリこそが司令塔を動かす力を持っている。虎に例えると
解りやすい。なだめ、飼いならし、時には、その背に乗って奔りまわることも
できる。 感情の擬人化した人形アニメとは、哲学的切り口でもある。
08月08日(水)
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