ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■2351.ベナレス・・・7
それまでは8時間プラス2〜3時間、という立場が、
“24時間(休んでいても仕事のうちという)仕事”という立場になった。

サラリ−マンが事業をおこして大部分失敗するのは、
前者より脱皮できない為である。
大手ス−パ−の創業期に入社、異常に近い厳しい世界に3年近くいたが..。
その厳しさが全く違うのだ。
はじめの数ヶ月は、今日辞めるか明日辞めるかという位、厳しいものであった。
あの空ビルをテナントで埋めなければ、私の立場が無くなる!
という前提があった為乗り越えられたと思うが。

でも不思議なもので、真っ正面より立ち向かっていると、
いつの間にか辛さが辛さでなくなってくる。
適応能力が自然についてくるのだ。
ヤクザ、土方、得体の知れない人間に“気違い水=酒”を飲ませているのだ。
それと兎にも角にも全くの無警察状態に近いのだ。
そこで自分1人で店を衛らなくてはならない。

酒を飲んだ人間の本当の恐ろしさをそれまで、
ほとんど知らなかったためだろう。
命が幾つあっても足らない位の事件が月に一度はおきた。
恐怖の中で1人トイレの中で(他の人にはわからないように)震えた事があった。
そこで、大きく唸った。
そしてお客に対処したところ腹が据わったのだろう、お客が逆に竦んでしまった。“これだ!”と直感した。

また店の従業員に前もって、うちあわせをしておき、
お客に怒鳴る変わりに従業員を怒鳴りつけ竦ませたり、
土壇場に立つと知恵がついてくる。

ただフランチャイズのシステムは今でも素晴らしいものであったと思う。
標準化、単純化、マニュアル化がきっちりできあがっていた。
創業時の勉強という点で、このシステムは自らに非常に有効に働いたと、
振り返って思えるようになった。
創業は辛い!
ー1973.11.07〜

H0909
ギアナ旅行記

 この数年、秘境の旅に凝っている!
そしてそれが深いほど新しい感激・感慨が大きくなる。
南米大陸の一番上に位置するベネズエラの首都カラカスより、
目指すギニア高地の基地カナイマ。
そこからオリノコ川の最大の支流カロニ川の上流に、
この秘境ギニア高地が広がっていた。

インディオの操縦で四日間にわたって
エンゼルフォールを目指すアドベンチャー・ツアーであった。
コナン・ドイルの“ロスト・ワールド”の空想小説の舞台となった
テーブル・マウンテンは、一〇〇〇m〜三〇〇〇mの垂直に切り立った
絶壁に囲まれた台地がいくつもそびえ立っていた。

そこより落ちる滝は多いときで二〇〇〜三〇〇にもなり、
その中で一番有名なのが、世界最長の落差のエンゼルフォールである。
その長さは千m、山道を一時間以上かけ登り、麓より見上げた滝の雄大さは、
神秘性は言い知れぬ迫力があった。

ここでは生物の生存がほとんど不可能であるという。
ボートでそのテーブルマウンティンの勇姿を見た時、
魂を電流がつき抜けていったような感動と自然と腰骨がピンと立ち、
ただばくぜんとしていた茫然としていた。
そして涙が自然と流れ出てきていた。

二十億年の大自然の時空を直感できた感動であった。
これで人生の感動の分岐点を充分越える事ができた!
という言葉がフッと脳をよぎった。
原始人が自然に対して“神”を直感するとは、
このような二十億年の時空の中の一瞬の何かを観たのだ!。

この旅行はただテーブル・マウンテンと密林とそこを流れる川、
そして滝だけであった。
ただ高地の間に流れる川をのぼっていくボートツアーでしかない!。
でもそれだけがすばらしいのだ。
そのトレッキングの真髄を初めて経験でき、
新しい世界をかい間見た十日間であった。
ーH9.8/23〜9/1

09月10日(月)
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