ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■1796, 超アメリカ整理日記 −2
そんな自分を感じていたわけですね。
では、じりじりするようなリアリティというのはどんなことか?
それを述べる前に、この人が「ホームレス作家」という作品を出す前、
出した後の状況変化について話しておきましょう。
まず、出す前。文字通り、ホームレスでした。夜中の一時半から五時まで、吉祥寺界隈を
歩き回っていたといいます。そして、始発と同時にホームに入る。
そうすれば、暖が取れますからね。食べるものもない。借金や食べ物を頼むと、説教だけされる。
そんな毎日だったそうです。
奥さんは子供を連れて出奔してしまいます。「貧乏はもう嫌だ」というわけです。
小さい子供とお腹に第二子を孕んだ奥さんが頼るのは生活保護しかありません。
それで、新宿、品川と流れていくんです。
さて、出版後です。この企画は当たりました。
出版と同時にテレビで再現ドキュメントなどが放送されるなど、社会的な注目も浴びました。
しかも初版4万部ですよ。こんな数字は堺屋太一さんでもありませんよ。印税が600万円。
このお金があれば、ホームレスから足が洗えます。
実際、この人も版元の社長の紹介で家賃5万円のアパートを借りられたんです。
一年分前払いです。まだまだ残る・・・と思うでしょ?
ところが、数カ月すると、せっかく買ったテレビやプリンタを売りに行く始末。
どうしてか?
前に住んで自治体から請求が山のように来たんですね。市民税、健康保険、その他、
そに個人から借りた返済もある。テレビを見たサラ金から、再び、請求が来る。
あれこれ払ってると、もう手持ちが数十万円しかない。それだけではありません。
もっともかかった費用。それは3人の弁護士に払った費用なんです。
どうして、弁護士など雇ったのか。
それは品川区の社会福祉部の横暴に対して、個人ではどうすることもできず、
区議会議員や弁護士で対抗せざるをえなくなったからです。
しかし、行政というのは勝手なもんですね。担当者は自己保身ばかりが先に立ち、
てんで市民のことなど考えない。
市民を騙し、区議会議員まで騙し、それで顔色一つ変えない。
個性というか、人間性もない、機械のような、仮面をかぶった人たちなんですね。
おかげで、これだけの印税収入が入ったのに、親子で暮らせないんですよ。
会わせてもくれない。考えられます?
それが法律上のことではなく、一担当者、一組織の見解として、邪魔するんですね。
その理由は?
どうも、法律違反をして、問題視されることを恐れて、隠しに隠す。
そう、外務省や警察と同じです。公務員というのは、どうしようもない人種のようですな。
ホームレスから脱出できた幸福感というか、安心感。
そして、奥さんと子供たちと暮らせないという空虚。この二つの間を、著者は何度も
行ったり来たり。「たしかに、この日、私は定住の場を回復して、ハウスレスではなくなった。
しかし、ホームという言葉が家族の存在を前提とするのだとしたら、
私はまだホームレスの状態を脱したわけではになかった。そして、これから先も長く、
この状況を続けなければならないことを、このときの私は知りもしなかったのだ」
このじりじりするようなリアリティを先に書きたい、そんな魂の叫びが随所に感じられる一冊。
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2002年03月04日(月)
349、われ思う、ゆえに我あり
「われ思う、ゆえに我あり」この言葉をもじって、
過去の哲学者がいろいろ書いている。
「われ意志す、ゆえに我あり」
「われ笑う、ゆえに我あり」
「われ行動す、ゆえに我あり」
「われ感激する、ゆえに我あり」
等々。
その中で「われ意志する、ゆえ我あり」がいい。
意志するとは、人間の思考の基本といっていいからだ。
意志薄弱はその正反対の言葉だが、意志が固いはモノゴトを
やり遂げるベースである。
「われ??する、ゆえに我あり」の??探しが一種の課題なのかもしれない。
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03月04日(土)
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