ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7073,閑話小題 〜再び、尊厳死の問題が…
このようにほぼ一ヵ月もかけてというのには、よほど強靭な精神力が必要です。
そんな日本人は、極めて稀でしょう。なぜ7日間にしたかには理由があります。
比叡山延暦寺の修行の中に、千日回峰行がありますが、その7百日目位の時に、
断眠、断食、断水の「籠山行」があります。そして、水断ちは9日間以上やると
危ないという言い伝えがあるということを聞いたのと、老人ホームで、一滴の水
も身体に入らなくなって亡くなるまで、7日〜10日が多いという事実を重ねた結果。
 延命治療に間しては、日本尊厳死協会の「いっさいの」ではなく、個別に
「心肺蘇生」「人工呼吸器」「人工透析」「人工栄養」「輸液」に関して指示
しています。 心臓は、もう70年以上も生きているんです。
原因のいかんを問わず、ひとたび停止すれば、そのままでいいのです。》 
▼ 30年の間のホテル営業で、様々な自殺があった。警察からは泊めた方も
当事者として自殺者の動機とか事情が知らされる。自殺者にとって、この世は
苦海で、死ぬだけの理由はそれぞれに十分にある。誰も自殺などしたくない、
死ぬしかない理由が、あるから死ぬのである。 数日後、体調が悪くなって、
「あと三ヶ月です!」と言われれば、死ぬまでの間は地獄。そうこう考えると、
断食往生などの自死も真剣に想定しなければ。大往生など諦め、もがきながら
逝くのも自然だが。

・・・・・・
5180,私はガス室の『特殊任務』をしていた
2015年05月21日(木)
    * ガス室の中の、断末魔の地獄絵   『読書脳』立花隆著
 ー私はガス室の『特殊任務』をしていたーショロモ・ベネツィア著を、
『読書脳』立花隆著で紹介をしていたが、その内容は極めて凄惨である。
ガスを吸った瞬間死ぬのではなく、15〜20分の間、のたうちまわるのだ。
そこで生残った特殊任務部隊員(囚人)の証言が生々しく記されている。
≪「人体組織の抵抗力で目が眼窩から飛びだした人もいました。
 身体じゅう出血している人もいれば、自分や他人の排泄物で汚れている人も
いました。恐怖とガスの効力で、犠牲者は身体のものを全部排出することが
多いのです。(略) みんな苦しんで死んでいました。普通の人は、ガスが注入
され、はい終わりと考えるでしょう。でも、なんという死か!…。よく見ると、
お互いにしがみついて、少しでも空気をと、みんな必死だったんですね。
床に落ちたガスから酸が発散するので、みんな空気がほしくなる。
そのために、最後のひとりが死ぬまでみんな互いの上をよじ登ろうとする」 
その言葉通りまるで運動会の棒倒しのように、天井の空気穴めがけてもがき
あい手足をひっぱりあい重なりあいながら人間ピラミッドを作るようにして
死んでいた。その一体一体が苦悶の表情を浮かべている。ガスの注入から全員
の死亡まで15分〜20分だった。断末魔の悲鳴が徐々に弱くなり、無音になる
のを待って、特殊任務部隊(囚人)が中に入り、からみ合った死体を一体
一体引き離し、焼却炉に運んだ。遺体の口を開き、金歯をしている者からは
金歯を抜いた。ガス室の中に入ることを許されたのは、特殊任務部隊員だけ。
彼ら自身も三ヵ月ごとにガス室で処分され、秘密が保持された。生き残り
数十人だけがガス室の中で起きたことを証言したが、あまりのおぞましさ故に、
その詳しい実情はこれまであまり表に出なかった。 本書は2007年に仏国で
出版されると大ベストセラーになり、世界15ヶ国以上で翻訳されている。
これを読まずにアウシュヴィッツに行っていたら、私も東大生と同じように、
ガス室や焼却炉の残骸を見ても、犠牲者の髪の毛の山や遺品の山を見ても、
本や映画で見たのと同じと思い、ショックを受けなかったかもしれない。≫
▼ 多くが糞尿を垂れ流し、断末魔の苦しみの中で死んでいく姿が、そのまま
 描写している。個々では、どこかの病院の一室で毎日あることだが、それが
集団となると地獄絵そのもの。20世紀は、集団殺戮の世紀で、一億近くの
人たちが抹殺された。21世紀の現在も、北朝鮮や、中近東で、こうした

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07月26日(日)
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