ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6576,閑話小題 〜つれづれに哲学 ーカタルシス効果
エネルギー問題や食糧難は生じていないかもしれない。
環境破壊の度合いも違ったのではないか。
 彼らが現代まで生きながらえ、我々と遭遇したら、と想像するのも興味深い。
現代人の祖先は、数万年前に各地で原人を滅ぼして今に至ったと考えられる。
その「好戦性」が健在であることは各地の紛争から明らかだ。」
のくだりの文章は、現在の人類・文明に対する批判にもなっている。

一つの発見から、考えを発展させる良い見本の文章である。

ーーーー
(毎日新聞 解説 2004年11月12日 0時27分 )

人類はどこからきてどこへ向かうのか
 1万数千年前のアジアの島に、小型象や巨大トカゲとともに、
小さな人々が生きていた。
インドネシアのフロレス島で見つかった小型人類の骨は、人類進化の見方を
変える驚きの発見だ。

 島の名前から「ホモ・フロレシエンシス」と名づけられたこの新種の人類は、
私たちと同じホモ属に分類される。
ところが、身長は約1メートル、頭蓋骨(ずがいこつ)はグレープフルーツ大で、
脳の容積は現代人の3分の1に満たない。
これまで想像だにしなかった小さな「親戚(しんせき)」だ。

 しかも、この人々は約1万2000年前まで存在していたらしい。
人類史からみると「ついこの間」のことだ。現代人の祖先が地球上に登場したのは
約16万年前。両者が同時代を生きたかと思うとなんとも不思議な気がしてくる。

 彼らはジャワ原人から進化したと考えられる。
であれば「ヒトは進化につれて体も脳も大型化した」との常識は覆る。
高度な石器を使い、小型象のステゴドンを狩っていたとみられることから、
小さな脳と「劣った能力」の関係も見直しを迫られる。

 私たちは人類進化の唯一の帰結ではなく、偶然の産物だった。
ほかにも最近絶滅した人類がいるかもしれない。
そう気づくと世界の見え方は変わってくる。

 生物の小型化は孤立した島でしばしば起きる。
資源が少ないことが一因で、いわば「省エネ型」への進化だ。
生き延びたのが私たちではなく省エネ型人類だったら、
エネルギー問題や食糧難は生じていないかもしれない。
環境破壊の度合いも違ったのではないか。

 彼らが現代まで生きながらえ、我々と遭遇したら、と想像するのも興味深い。
現代人の祖先は、数万年前に各地で原人を滅ぼして今に至ったと考えられる。
その「好戦性」が健在であることは各地の紛争から明らかだ。
とはいえ、人類の仲間を安易に殺りくすることは現代人の理性や倫理に反する。

 英国のドーキンスが提案した「利己的な遺伝子」の考えをあてはめれば、
体が大きく戦いに強いことは自分の遺伝子を増やすのに有利かもしれない。
一方で、ドーキンスは
「発達した脳を持つ人間は利己的遺伝子のたくらみに反逆できる」とも言う。
別種の人類と私たちは共存できるのか。

 現代人も進化を止めているわけではない。
小型人類の発見で、人間も他の動物同様、環境に応じて変化していくことが
確かめられた。
数百万年後の人類は思いもよらない姿かもしれない。

 生物的進化とは別のレベルの「進化」も進んでいる。
コンピューターを手に入れたことで人類は脳を拡張した。
インターネットや携帯電話は、人間の社会を根本から変えてしまった。
この早すぎる「進化」の行方はまだみえない。

 人類はどこからきて、どこへ向かうのか。
小さいヒトをきっかけに考えたい。

――――
2014/12/17
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03月18日(月)
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