ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■2816, 不況景色 −5

ードイツの哲学者ヘーゲルは、経験を「自分の真実を失うこと」だと書いている。
自分の真実を失う、つまりこれが自分なのだ、自分はこういう人間であり、
そのように認識され規定を試みた人間として、この世の中を見ているんだという、
自信というよりも、自認と足場が崩壊し、自己が自己として、自分に対して
持っていた信頼感なり当てにする気持ちが胡散霧消してしまうこと、それが経験なのだ。
それは自分というのは、良くも悪くも、この程度の人間、がんばっても、しくじっても、この範囲の人間であり、
どんな窮地におかれても、最低の品位を崩すことはない、というような自信が、具体的な行動の中で失われる、
あるいは変わるということ。 それが、経験だと、ヘーゲルは言っている。
だとすれば、成熟とは、何よりも自分が自分であるということを失い、自分から任じていたような、
立派な人間ではなければ、尊ぶべき個性も独自性も、勇気も持っていないということを知り、
その崩壊のあとになお、自分の姿を見つめて生きていこうと努力することが、成熟をするということに他ならない。
  ーーー
  以上であるが、私の現在の心情はとりもなおさずほぼ同じである。
  これが「熟年という心象風景」かと、毎日のように内省する日々である。
  経験を重ねるということは深い悩みが色濃く蓄積していくことでもある。
  ひとり、心の奥の高みにいて、すべてを見下していた自分が、「薄汚れた軽薄な馬鹿な男」と気がついたときの衝撃。
  そのとき、中原中也の詩「汚れてしまった悲しみに 今日も・・」の悲しみが深く心に響いてくる。
  挫折という「心の背骨」の骨折で逃げおおせなくなったとき、見下していた周囲を見上げたときに初めて気づく真実の光景。
  そのとき、自分の価値観が根底から変化する。  この繰り返しの中で、人間の成熟が初めてもたらされる。    
  熟年は、深く心の憂いが霧になって取り囲んでくる。  その中で独り飲むコーヒーの味も良いが!
                (⌒▽⌒)/"”さいなら!
・・・・・・・・
2005年12月20日(火)
1722, 時代を読み解く「三つの言葉」

             才八∋_φ(・ω・`)゜+.
文藝春秋の今月号の<新年特別企画> の特集が面白い。
 この数年は、殆んど月刊誌と週刊誌を買わなくなった。
  図書館で立ち読みをする程度だが、文芸春秋の新年号の新聞広告をみて
   思わず買って読んだが、それぞれなかなか含蓄がある。
各界リーダー32人が選ぶ時代を読み解く三つのキーワーであるが、それぞれの人の文章が短いが鋭い。
 その一部を抜粋する
丹羽宇一郎 ▼「改革・民営」「二極分化」「阿諛追従」                   
国谷裕子 ▼「格差」「サステイナブル」「ひとりの時間」
堺屋太一 ▼「まやかし」「あほらし」「あらまほし」
玄侑宗久 ▼「正義」「効率」「遊ばない」
大前研一 ▼「マルチプル」「ヒルズ族」「球団」
中西輝政 ▼「やさしさ」「安心」「構造改革」
半藤一利 ▼「地獄の上の花見」「そこのけそこのけ」「ちんぷんかん」
堀江貴文 ▼「世界平和」「肉体と精神の分離」「宇宙」
山田昌弘 ▼「リスク」「格差」「希望」
渡遇恒雄 ▼「抵抗勢力」「ハゲタカ」「刺客」
前原誠司 ▼「ボランティア気質」「改革競争」「戦争責任の風化」
中曽根康弘 ▼「改革万能膏」「同情大臣劇場」「ナショナリズム感冒」
阿川佐和子 ▼「脱力」「弱年化」「ボーダーレス」
  ーーー
これを見ているだけでも、時代の潮流が見えてくるようだ。
 言葉として目新しいところでは、
ー山崎 元 の
  「給料階級」「ボーナス階級」「株式階級」ーである。
   なるほど、よく言ったものだ。
   ・「給料階級」ー給料しかもらえないサラリーマン階層
    ・「ボーナス階級」ーボーナスが出る階層
     ・「株式階級」ー株で一瞬、数億を稼げる階層というところか。
  ーー
 次回には、私の主観で選んだ幾つかの内容を紹介してみる。

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12月20日(土)
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