ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■8043,閑話小題 〜春,うらら
< ・古来の哲学も、現代の自己啓発本も、
「人生や幸福とは、私たちの心の創造物である。他人や外的な条件を変えるので
はなく、自身の心構えや物事の受け止め方を変えれば、人生は変わり幸福になれる」
ということを繰り返し言っている。 しかし、「心を変えよう!」と決意して、
これまでのやり方やものの見方を変えようとしたところで、数週間もすれば元に
戻ってしまうに違いない。
 象使い(意志/制御されたプロセス)が「変わろう」と決意したところで、
象(感情/自動化されたプロセス)を変えることが出来なければ、意味がない。
必要なのは、象使いの決意よりも、象を訓練し直すことである。
 心を変えるために必要なことは、頭で考えて変わろうとすることだけでなく、
時間をかけながら行動習慣を変化させることである。(39-43.)
 人間の脳内にも動物と同じように「好悪計」が存在する。味覚や視覚だけで
なく、単語に対しても「好き/嫌い」の判断を行う(「希望」や「楽しみ」など
の単語は「好き」と判断し、「恐怖」や「退屈」という単語は「嫌い」と判断する)。
また、自分の名前などの見慣れたものは「好き」と判断し、自分の名前と響きが
似ている人や仕事も「好き」と判断する。ジョンはジェーンを結婚相手に選び、
デニスは歯医者になり、ジョージはジョージア州に引っ越す確率が他の名前の人
よりも高い。結婚や職業という人生において重要なことも、名前の響きという
些細なことに影響される可能性がある。(43-46.) >
 
 ――
▼ 事業が、そうである。10年以上もエネルギーと資金を投入したのに、一瞬で
 快・不快もないまま、消え去ってしまう。何度も何度も失敗しても、凝りもせず
繰返し… 野村監督の愚痴ではないが「不思議な勝ちはあっても、不思議な負けは
なし。ネガティブ・バイアスも必要である。逆に、いいことを意図的に心の中で
長引かせることが、その体験を長期記憶に留める助けをする。 そのような
「いいことを愛で味わう」体験を何十回、何百回と繰り返し重ねていくことで、
ネガティブなことに過剰反応しない脳の回路を作っていくことが可能になる。
良いか悪いかは別として、ごく身近に、そういう人がいる。近未来に楽しいこと
しか頭にない。それ以外は、何事も見えない。それも長期脳に納めて、次の瞬間
には、忘却の彼方へ。こうなれば、魅こと、としか言いようがない。近所の原信の
レジで曰く… 『この時間に何時もいらっしゃる…御近所ですか? 羨ましいは、
私など知り合いの目が嫌で、わざわざ遠くから来ているのに!通勤時間を取られ!』
…そこには既にネガティブ・バイアスが掛かっている。割引時間にレジを並ぶには、
近所の目があるが、何の気にしないのがポジティブがある。気にするのは、気に
なるからである。「ユニクロ」を着ることに躊躇するのは、普段着=みすぼらしい、
と思うからである。重ね着と、普段着の世界的ブランドと知ればこそ、堂々と
着れるのである。これに近い現象を、屡々、経験する。特に地元に籠ってから!
 恐らく、このブログ内容に対して、多くの批判があるのだろうが… 
「私ってのは、この程度!」の自覚があるため、今さらか。

・・・・・・
6598,閑話小題 〜老いについて
2019年04月09日(火)
              <「四苦八苦の哲学」永江朗著>
    * 漫画家は姿勢によって年齢を描き分ける
  永江らしい厳しい言葉の羅列である。老いた自分の姿と顔を鏡で
 みる度に、愕然とする日々。とはいえ、老いは時間の問題で、誰の頭上にも
降り注ぐのはごく当然のこと。長生きもプラス面もマイナス面もある。長生きは
死損なった状況でもある。
≪ ボーヴォワールは、老いについて
 ヒポクラテスによれば、人間が頂点に達するのが56歳と、
  アリストテレスは肉体の完成が35歳。魂の完成は50歳とする。
 ダンテによれば、人は45歳で老境にさしかかる。
 今日の興行的社会を諦念退職させるのは一般に65最である。』
ある漫画家は姿勢によって年齢を描き分ける。これは生きる姿勢にも通じる。

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04月09日(日)
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