ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7092,閑話小題 〜バカは幸せではない
……背景にある社会的・文化的事情を読む」とある。「和式/洋式」の分類の
矛盾と、西洋における「しゃがみ式」の非特殊性、日本及び西洋に見える
「立ち小便」の男女の様態(歴史的一般性)、“後始末”(拭う・洗うなど)
の様々、中国式のいわゆる「ニーハオ・トイレ」に限らない“開放型”から
個室化の変遷と意義など、実証的・分析的に考察しており、なかなか面白い
(目から鱗の)トピックから成っている。

・個人的に興味を惹いたのは、やはり「和式」ーー著者の分析(「便器」に
拘泥しない前提)に従うと正しくは「しゃがみ式」ーーが、日本独自の言わば
“未文明的”な様態ではなく、ロシアを含めヨーロッパ等でも歴史的には一般的
であり、現在でも残る地域があるということである(第1章)。
 中でも興味深いのが「トルコ式」形態とオスマン朝の勢力関係を連関させる
見解に異を唱え、「しゃがみ式」がオスマン朝の特有の文化でないことを実証的
に反証している(71〜75頁)。
またフランスでの「腰掛け式」(いわゆる「洋式」)が19世紀頃まで優勢だった
理由に、「便座」の非衛生感(“感染症”の忌避)があったと、説得力のある
考察が見える(44頁)。元々フランスなどヨーロッパでは、家屋内には「トイレ」
を作る習慣がなく、携帯式「便器」が主流であったことは著名な事実である
(122〜129頁)。しかも終わった「便器」の中身を窓から戸外へ遺棄したとも
仄聞するところで、江戸期の完成された農業リサイクル型インフラがよほど
“文化的”であろうか。但し前者では“疫病”、後者では“パラサイト”の
循環と言う問題は残る。また第4章での「ペーパー」事情と「洗浄」スタイル
の文化圏も興味深いトピックである(132〜148頁)。
また余談で“有料トイレ”に言及があるが(162頁:ベルギーで「1.1ユーロ」)、
・私は10数年前ながらイギリスの某有名デパートで確か1ポンド(入口で係員
が料金徴収)、アメリカのSF市内で1クォーター(ドア横の料金口にコイン
投入するとドアが開く方式)だったと記憶する。実物写真やイラストを多用した
ユニークな“トイレ民俗誌”の1冊と思う。 》

▼ どうしても我慢ならないのが、仕切の無い中国のトイレ。あと飛行機内の
 トイレ。男女の別なく… まあ、そこから始まる非日常の苦行の一つ。
旅先でお腹の問題は、男は下痢系、女は便秘系になる傾向が強い。失禁、一歩
手前は4〜5回のツアーで一度は経験する。特に着陸直後が、気圧の関係で… 
ツアーは日程が強行軍のため、慣れる2日間は苦行になる。留置場、刑務所内や、
軍隊のトイレ事情が… それは家畜並み。 何故か、お城、牢獄を周ると、底冷
もあるが、突如くることが多い。 何かしら怨霊が? と思われるフシがある。
ある作家は、神社仏閣では何故か100%下痢になるという。

・・・・・・
6362,閑話小題 〜問題はバカの扱い方
2018年08月14日(火)
            『問題は右でも左でもなく下である』適菜収 (著)
   * B層のバカこそ大敵!
 俗にいう世間様を「下」と切り捨てている文章。 何も考えない27%と、
考えても何も行動に移せない60%、合計87%の人たちを『下』と。
トランプは、アメリカ白人の右翼的レベル25%に狙いを定め、ロシアのスパイ網
と組んで政権をとった疑惑の痕跡がいろ深く残っている。社会には、考えられ
ない人たちが存在する。まだ流動する社会ならよいが、固定社会の舟底には
牡蠣がへばりつく。こういう人を一言、『問題は右でも左でもなく下である』と!
常に自分も知らずに同化しているのではと… TVの人気バラエティ番組の視聴者
の多くは、こういう人が狙い目。 で、その層に心地よい評論家がお出まし。
バカがバカを裁く模擬公開裁判らしき討論が、まことしやかに進行する。
他人様に思考と、決断材料の収集を任せ、演劇側のステージに上がろうとしない、
「ウォームヘッド、クールハート」の87%の人たちが、これに動かされる。

   〜ネットで、著者を検索すると〜

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08月14日(金)
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