ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7053,読書日記 〜平均思考は捨てなさい
                  『哲学の慰め』ポエティウス著
  ★ さらに「哲学の女神」の言葉を…
    〜 真の幸福は、外でなく内なる心の状態である 〜

≪ ◉ 人間は愚かにもウツロイやすいものに幸福を求めてしまう。
 だが、真の幸福は内にある。自らコントロールできるし、不運だといって
壊れない。ストア派と同じ考え。今日、起こった不運を達観することによって、
自らどうにもならないものに影響されないことだ。 
 幸福とは世界ではなく、心の状態である。エピクロスはこれを悟ったのである。
女神は、もう一度、自分の方に、ポエティウスを自分の方に向けたかったのだ。 
富や権力や名誉は来ても去っていくので価値はない。そのようなものに幸福の寄り
どこらにしてはならない。幸福とはもっと堅固で、奪われることのないものから、
生れなければならない。 ポエティウスは死後の生を信じているのだから、現世
のつまらないことに幸福を求めることは間違っていると。
いずれ、死により全てを失うから。
◉ それでは、ポエティウスは、どこに真の幸福を求めるべきか。
 天使の女神の答えは、「神あるいは善」ということになる。
女神のいう神とは、プラトンが提唱する善のイディアだろう。
 女神はポエティウスが知っていたことを思いださせようとする。
これもプラトンの考え方である。プラトンは、学問とは、すでに持っている
考えを思い起こすことと努力することだと。ポエテゥウスがある程度知って
いるのは、自由や世間の称賛を失うのを怖れる必要が無いということ。
こうしたことは、ほとんどコントロールできない。大事なことは状況をどう
考えるかであり、それを選ぶことができるのだ。 
囚人は神を信じてきた多くの人を悩ませてきた、本質的問題に突き当たる。
神が全知全能なら、これまで起こってきたこと、そして、これから起こることを
知っているはず。それについて女神は…<私たちは前もって知っているものの、
人間が、どう行動するか、何を選択するかによって、あなた達を見極めている
ことを忘れてはいけない!> と。何も、自由意志なのだ。 
◉ 11世紀を生きたイタリアの修道士で、のちのカンタベリー大主教になった
 アムンセルムスが、私たちが神の概念を抱いているという事実が、論理的に
神の存在を証明しているという。 アムンセルムスの『存在論的証明』である。
彼は『プロスギオン』で、<神が「それより偉大なものを考えることができない」
存在であると主張する。言い換えれば、神は想像しうる最も偉大な存在ということだ。
力、善、知においても最も偉大であり、それよりも偉大なものは想像できない。
できるとすれば、それが神なのだろう。神は至上の存在だ。 ≫

 ―
▼ 死刑執行を前にして、心の底の善こそ、最も重要と目覚めることと学ぶ。
 私の実践判断の中で、『可能な限り、後味の悪いことは避ける!』があり、
判断、決断時のフィルターにしてきた。ふり返り、これで多くが救われていた。
それもこれも、「最後の最後は、おのれ独り」といいうことになる。
人生、学び足りなかったことが、あまりに多い! 甘い、いや甘かった!

・・・・・・
6323,閑話小題 〜今年も半期の終了 −5
2018年07月06日(金)
    * 〜スイス 名門寄宿学校〜 2 ―『ボー・ソレイユ』
 人生を振返り非常に恵まれていたと思うが、特に学生時代が充実していた。
昭和40年代前半で、ベトナム戦争と、経済成長が急激の右上がりの真っ只中。
現在からみれば時代格差もいいところ。その中で、500坪ほどの早大・事務局長
の庭先に「くの字」の男子学生を中心にした寮生活。「くの字」の真中に炊事場と
洗濯場があり、両側が出入り口とトイレがあった。床は土間で、個室で鍵が付いて
いた。寮生には、秋田、福島、新潟、九州、石川など全国から様々な職業の子弟で、
早大が半数と、その他の大学に通っていた。一年もすると、数人の学生と旧知の
仲のように親しくなって、それぞれの部屋にフリーパスのように、出入りするのが

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07月06日(月)
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