ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7040,閑話小題 〜チョッと小噺
他人の基底欠損の歪みには敏感に気づき、陰口で指摘するが、丸出しの己の
変形には、まるで気づかない。で、世の中、世間が、修羅場に変容する。
一神教は、まず絶対神を想定し、基底の岩盤を各自に与える役割をして、
基底欠損のカバーの役割を与える。日本では、それが曖昧な『世間様』という
から、「烏合の衆」の危険が満ちている。
次回は、島国日本そのものの基底欠損をテーマにしてみよう。面白そうだ!
とすると、トランプの政治家としての基底欠損が、直ぐに思い立ってくる。
・・・・・・
2016/06/04
フーテンの寅の、本質と家族の幸せとは 〜@
最近になって、『男はつらいよ』のシリーズの再放送を見なくなったが、
以前は再放送の度、何度も観ていた。もちろん48作の全部を観ている。
TVの再放送を含め平均3回を観たとして、150回は観たことになる。
特に浅丘ルリ子の、リリー役ものは、5〜6回以上は観ていた。この映画が
始まった1969年は、新社会人として、四日市、神戸、桑名と、転勤生活の中で、
家族の温みを寅さんの実家の団子屋の中に温みに求めていたようだ。
精神分析医と、『男はつらいよ』の山田洋次監督の対談が、なかなか面白い。
* 寅は「基底欠損」 <山田洋次:名越康文 対談>より
≪ ◉山田:寅は「人間というのはこんなにみっともないよね」という恥部も
見せてくれる。自分が食る分のメロンがないというだけで、「どうせ俺はね、
この家では勘定に入れてもらえない人間だからな」と言って大ゲンカしたり。
◉名越:有名なメロン騒動ですね(第15作『寅次郎相合い傘』)。『男はつらいよ』
を全作観て、僕は寅さんの中にとめどないブラツクホールのようなものを
感じました。寅さんを心理分析すると、99%は温かいものでできているけれど、
残りの1%に、ダークマダーのようなものがギューッと凝縮されている。
それは下手したら温かい99%を無にしてしまうようなすごい闇です。
「俺の気持ちをわかってくれ!」という精神的な甘えも強烈で、カッとして暴れる
こともしょっちゅう。じゃあなぜ寅さんにこのような攻撃的なエネルギーが
生まれるのかと考えた時、「基底欠損」という精神分析用語がハッと頭に浮か
びました。幼い頃、親に甘えても受け入れてもらえなかった。おっぽいが十分
に吸えなかったとか、抱っこしてもらえなかったとか、満たされるべき欲求が
満たされなかった。そういう根本的な愛情や安心感の欠如が、大人になって
から甘えたり、無理を言うことにつながってしまう。寅さんもそうすることで、
親に拒絶された「欠損」を埋めようとしているんじゃないかと解釈したんです。
◉山田:とても面白いですね。「基底欠損」という言葉を初めて聞いたし、そういう
心理学的なことは何も知りませんでした。だけど、寅みたいな人間はどこか心
の中に空洞があるんだろう、そういう人間って、赤ん坊の時がひどく不幸
だったと考えて、寅が産みの母に捨てられたという設定にした。≫
▼ 私の母親が、世にも珍しい<ママ父>虐めの被害者。その恨み辛みを、
ことあるごとに聞いていた。3人の子供を残して逝った父親の後添えに、
祖母は男後家と再婚、八百屋を維持した。その義父との間に4人の子供が
できたが、義父は徹底して3人を虐めたという。祖母も、男後家の関係上、
3人には冷たくせざるを得く、一番末の母は、幼児の頃から、両親の温みを
知らないで育った。その為、自分の子供に対して、どう愛情を与えて育てて
よいのか、知る由もなく、それが、母親の「基底欠損」である。当然、その
子供も、基底欠損になる。何れも多かれ少なかれ、それを持っている。
両親の温みの実感が無いのも辛いものがあるようだ。 〜つづく
・・・・・・
2016/06/05
フーテンの寅の、本質と家族の幸せとは 〜A
* 強烈なミヤコ蝶々の母役 <山田洋次:名越康文 対談>より
なぜか、シリーズの中で印象に強く残っているのが、寅の母親。
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06月23日(火)
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