ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■7032、閑話小題 〜白紙委任状にハンコ押せと言われても 〜2
現在、誰もスマートフォンを手元に持っている時代。その悲惨さが、そのまま
配信される。まずは10万円の配布をしたが… それも一過性。
―
* どうも緊張感が無くて…
スポーツジムや、週一の酒とツマミの買い出しに出る時、ついうっかり、
マスク着用を忘れる。ハッとして周囲を見渡すと、全ての人がマスク着用。
逃げるように店外に出ること屡々。本来は、自宅内でも着用すべきだが…
としても、何時どこで、感染する可能性がある。これが21世紀の一現象。
・・・・・・
6303,映画鑑賞 ―『終わった人』
2018年06月16日(土)
* 終わった人 −3
今日のシネマ観賞は、『終わった人』。期待してなかった分、面白かった。
評価は85点。『終わった人』が、終われなくてジタバタする63歳男の物語。
屋内犬から屋外犬、そして野良犬への生き方にギア・ダウンしていくのは、
非常にエネルギーを要する。群れを性分としてきた人たちの、定年後の私生活に
戸惑うのは当然。しかし、その時節到来は当初から知りえたライフワークの要。
当然、出世コースから外れた時に、価値観の転向を図り、重心を趣味に移行する
か、新たなビジネスに切替えるべきであった。長期戦略が持てない故に、転籍
させられた意味が理解できなかった。 次の問題は、「終わった後」の人生設計
を自らたてれるか、実践コントロールが出来るかどうか。 群れの生活から、
個(孤立)の生活に徹し楽しめるかどうか。この物語は、群れ犬から、孤独犬、
野良老犬への転換の失敗物語。面白いといえば面白い。東大出のエリートの
首輪と、紐を引きづり露頭を迷う姿に、まずは連合いに嫌悪される。
個々の定年後の準備が、どの程度かは知らないが、サラリーマン系には、
準備が無しが多いみたい。月一に、何処かのスナックか、居酒屋に示し合せた
OB会が必ずあるという。こういう手合いの群れである。現実に溺れ、毒された
御犬様が、突然、一匹狼になって戸惑うのは…自然の理。
深刻なのは「人生、如何に生きるべきか」の基礎知識部分不足と、小金の有無。
孤独・孤立レッスンの有無になる。群れたままも、また良し。それが彼らの
全世界のため、これはこれで。
〜あらすじ
≪ 定年後の人生のすごし方を考えさせられる小説である。
主人公の田代は、大手銀行の子会社専務として63歳の定年をむかえた。
最終日のチャイムが鳴ると、花束と記念品の祝福を受けたあと、最後の日だけ
の黒塗りのハイヤーに乗りこみ、全社員に見送られながら会社を去った。
定年退職したらのんびりすごしたい、という人もいる。しかし、田代は会社人生
に悔いが残っていた。彼は東大法学部を卒業し、日本を代表するメガバンクに入行。
39歳で最年少の支店長に抜擢され、その後も銀行で順調に出世してきたが、49歳の
ある日、子会社への出向を命ぜられた。「1〜2年で本部に戻ってやる!」と必死に
業績をあげたが、2年後、51歳のときに「転籍」を言われた。「転籍」とは、親会社
を退職して子会社の社員になることだ。これで本部にもどる可能性がゼロになった。
このまま社員30人の雑居ビルの子会社で会社人生を終わる、と考えたとき、ああ、
俺は「終わった人」なのだと、頭の中が冷たくなった。それから12年。田代は、
「俺は定年の日だけではなく、毎朝夕、黒塗りに送迎されるべき人間だった」との
思いが捨てられないまま定年の日を。経済的に余裕はあるものの、まったく心の
準備ができていない。しかも、身体はまだまだ元気で、時間だけはたっぷりある。
ここから主人公は、絵に描いたような定年退職者のコースを歩む。
まず、妻に旅行を提案して「そんなに長い旅行はつきあえない」と断られる。
(田代の妻は、43歳でヘアメイク専門学校に入り、今は活き活きとヘアサロン
ではたらいている) 歩数計をつけて公園を散歩するが、どうにも楽しめない。
かといって「ジジババが集まる場所」と勝手に思っている図書館やカルチャー
スクールに行くのはプライドが許さない。… ≫
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06月16日(火)
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