ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■6470,閑話小題 〜下ネタABC、そしてDEF
夕陽の詩では、八木重吉の詩が良い!
ゆう焼をあび 手をふり 手をふり 胸には ちさい夢をとぼし
手をにぎりあわせてふりながら このゆうやけをあびていたいよ
〜『夕焼』より
あの夕焼のしたに 妻や桃子たちも待っているだろうと
明るんだ道をたのしく帰ってきた 〜『夕焼』より
ゆうぐれの陽のなかを 三人の児が ななめの畑をのぼってゆく
みていれば なきたい 〜『ことば』より
私は、友が無くては、耐へられぬのです。しかし、私には、ありません。
この貧しい詩を、これを、読んでくださる方の胸へ捧げます。そして、
私を、あなたの友にしてください。 〜『「序」秋の瞳』より
☆ 孤独の際から叫び出ている愛と孤独の絶叫の詩。 夕景は切ない!
死と生の刹那そのままが、景色に反射するからである。八木重吉だったか、
は忘れ、かつ不正確だが、
<夕陽に向かって手が千切れるほど いつまでも手をふっていたいよ>
の詩が頭によぎる。
【 みじめなということは低きところにおる人ではなくて、
進むことのできなくなった人です。 〜(八木重吉) 】
…それでも這ってでも進まなければならない時が、人生に何度もある…
それも、夕暮れ時には、身につまされる言葉。
・・・・・・
2012年11月30日(金)
4276, 100の思考実験 ー2
「100の思考実験:あなたはどこまで考えられるか」ジュリアンバジーニ(著)
* ギュゲースの指輪
印象的だったのは「ギュゲースの指輪」である。
〜ウィキペィデアに次のようにあった。
≪ カンダウレス王の治めるリュディア国に住む牧人のギュゲースはあるとき
地震にあった。地震の後に畜群を放している山の手に洞窟を見つけた。
入ってみると中には玉座に遺体が置かれていた。その遺体は金の指輪をしており、
ギュゲースはその指輪を盗み出した。戻ってきたギュゲースは指輪を身につけて
あれこれと探るうちに指輪を内側に回すと透明になって体が見えなくなり、
外側に回すとまた見えるようになることに気づき、悪だくみを思いついた。
家畜の様子を告げる伝令として宮殿に入ると、透明になって后に近づいて姦通、
密謀してカンダウレース王を殺し、位を簒奪した。豪富で知られるクロイソス王
はギュゲースの子孫である、という伝説が当時行われていた。
プラトンは「国家」の談義では兄グラウコンがこの話を引用して
「人は知られなければ悪事を働くのものだ」と述べて、プラトンのこれに反対
する形で「悪事は知られなければ構わないという考えは良心を腐らせ悪しき
結果となる」と述べている。≫
▼ ギュゲースの指輪は、人間の心の奥に潜んでいる不道徳性を試す物語。
人にさえ知られなければ、誰も誘惑に駆られ多くの悪事をするが、他人に
なると声高に非難をする。もし、私がギュゲースの指輪を持っていたとしたら、
恐らく何をしでかすか分からない。見せかけの自分と、本性の自分は全く違う
ことは、自分の心を考えれば分かること。「指輪物語」は、これをヒントに
つくられたという。ギリシャの哲学者プラトンが、2千数百年も昔に、この
人間の性を物語にしていたというから恐れ入る。性善・性悪説の論争に似ている。
若い時には純粋で理想に燃えて社会に出るが、何年もしないうちに垢に汚れ、
何時の間にか良心を腐らた世俗人になってしまう。それを他人には見えるが、
自身には見えないから、その矛盾が直接、自分に跳ね返ってくる。
その結果、精神分裂になり、自分の壁をつくって篭ることになる。
それからして、カントの道徳律は重要である。「仮言命法」としてではなく、
「定言命法」である。仮言命法とは,「もし…なら…べきだ」というもの。
道徳律においても、「人から信用されたいのならば、嘘をついてはいけない」
「早起きは三文の得」などがそれ。それに対して、条件なしに「…すべきだ」
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11月30日(金)
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