ID:54909
堀井On-Line
by horii86
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■1548, 私の酒中日記−11
とれえられているいるだけと考えた。
一つは内側から経験されているもの
もう一つは外から経験されているものだ。
このことを、彼は
「動機とは内側から経験される原因である」という有名な言葉でいいあらわしている。
人の倫理観の源になっているのは「同情心」であってカントが信じている理性ではない
と論じた。彼によればこの同情心こそ愛と倫理が生まれてくる基盤と考えた。

彼まで、西洋では東洋哲学は全く知られてなかった。
その東洋哲学はこの時期に西洋哲学と同じ結論に達していたのだ。
これを知った彼は、この発見を書にあらわした。
 
ショーペンハウエルは、人間が閉じ込められているこの世界の地下牢からのつかの間の
解放される方法を一つだけ示している。それが芸術であった。
人は絵、劇、彫刻、とくに音楽を聴いているとき、一生逃れることができない欲望から
自分を解き放つことができるといった。
その瞬間、経験世界の外にある、異なる次元の存在に触れることができると。

 学生時代にショーウペンハウエルを知った時に何ともいえない神秘的なイメージを
持った記憶が生々しい。
ワーグナーやフロイトやトルストイの人生の大きな影響を与えた哲学者として読んで
おきたい人という想いがあった。
多くの偉大な芸術家や作家の若き日の人生の転機のきっかけをつくったのだ。
その36年後の今になって再会した神秘的な哲学者、というのが正直な気持ちである。
そのショーペンハウエルを深く知るためには、カントをいま一度読みなおす必要がある。

彼の後に登場した哲学者のニーチェも、彼の本を読んで哲学者になる決意をしたというから、
よほどの文章力があったのだろう。

 彼が幅広い分野にわたって影響があった理由として「人のおかれた状況を見通す、
 たぐいまれなる洞察力と文章家としての才能を合わせ持っていた」 からだ。
 
 ーーー
 
 ー彼の言葉を書き出してみるとー
 
・医者は人間を弱いもの、弁護士は人間を悪いもの、牧師は人間を愚かなものとみる。
                    ―「パレルカ-ウント-パラリポメナ」―

・我々の肉体が衣服に包まれているように、われわれの精神は虚偽に包まれている。
                    ―「幸福のためのアフォリスメン」―

・一般に、男性のあいだでは愚かで無知な男が、女性のあいだでは醜い女が愛され、
 ちやほやされる。           ―「幸福のためのアフォリスメン」―
 
・われわれの人生の場景は粗いモザイクの絵に似ている。
 この絵を美しいと見るためには、それから遠く離れている必要がある。
 間近にいてはそれは何の印象も与えない。
                    ―「自殺について」―

・人は通常、金を貸すことを断ることによって友を失わず、
 金を貸すことによってたやすく友を失う。
                    ―「幸福のためのアフォリスメン」―

・全ての享楽と、全ての幸福とは消極的なものだが、苦労は積極的なものだ。
                    ―「意思と表象としての世界」―

・結婚とは、男の権利を半分にして義務を二倍にする事である。

・謙遜(けんそん)というものは、平凡な能力を持つ人間の場合には単なる誠実であるが、
 偉大な才能のある人間の場合には偽善である。

・人間の幸福の敵は、苦痛と退屈である。
                    ―「随筆」―

・孤独は、すぐれた精神の持ち主の運命である。
                    ―「パレルカ-ウント-パラリポメナ」―

・推理する能力を持っている人はたくさんいるが、
 判断する能力を持っている人は少ししかいない。

・紙上に書かれた思想は、砂上に残った歩行者の足跡に過ぎない。歩行者のたどった道は見える。
 だが歩行者がその途上で何を見たかを知るには、自分の目を用いなければならない。

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06月29日(水)
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