ID:54909
堀井On-Line
by horii86
[399718hit]

■857, 閑吟集-チロリチロリチンチロリ
「ただ狂え」という言葉はそこにおいて初めて発せられるものだ。  

過ぎた日々や失ったものに執着しこだわるとき人はくすむ。     
ぬかるみを生きる湿った感性である。               
ただ狂うためには振り返らず、今だけを見つめて生きるあくまで乾いた
感性が求められよう。                      
ニーチェはこの精神をツァラツストラのなかで<軽みの霊>といった。

苛酷な状況にあって人が局面を打開する可能性があるとすれば、まさに
この歌の心を手に入れた時をおいて他にない。           

ここには禅の悟りにも近い覚悟と、人の生への究極の認識が直感的に表
出されている。
乱世の暗黒を生きた大衆は、それに応じた充分力づよい人生を生きた。
この歌はいわば、その証である。                 

生きることが困難な時、それでもかけがえのない人生をどう生きるか。
あたうる限り、味わい深く存分に生きることが目指されよう。    
くすんでいては瞬く間に人生は終わる。一期は夢よ、ただ狂え!   

08月09日(土)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る