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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■夢〜晴れ渡る港
また、夢を見た。

最初は、今暮らしている家と微妙にイメージの重なる、アパートの様子。
(なぜか香山泰男の絵の世界も重なる)

それから、わたしは一人でどこかの港にいた。
空は真っ青に晴れ渡り、その青が美しかった。
港にいる人たちはみんなわたしに挨拶してくれて、わたしも挨拶を返していた。
でも、誰かがわたしのこと(実は女であること)に気づき、それまでは気持ち良く声をかけてくれていたのが、遠巻きにひそひそ言うようになってしまった。

わたしは海の見える村で写真を撮っていた。
真っ青な空を背景に、鮮やかなオレンジ色の蜜柑が美しかった。

写真を撮っているのはNさんだった。
彼女はしきりにわたしに向かってシャッターを切る。
多分わたしが「なんでそんにわたしを写真に写すの?」と聞いたんだろう、彼女は
「だって、わたしとあなたは離ればなれに暮らしているから、もうじき会えなくなってしまうでしょう」
と言った。
わたしは、彼女の愛に気づいて、とても感動した……

順番が間違っているような気がするけれど、だいたい3つの内容が相次いでわたしの中に浮かんでは消えていったのだった。

色彩が美しかった。
たまにこういう、色の印象の強い夢を見る。

「彼女が今でもわたしを愛している」というモチーフは、見ている間は感動していたけれど、目覚めてみたら陳腐な感じがする。

彼女がわたしと同じように悲しみ、苦しんでいたら、わたしは嬉しいのか?

醜い考えだと思う。
自分の身勝手さが、惨めだ。

彼女はわたしよりも苦しんだのだ。
わたしを忘れていくことで、ようやく心の平安を取り戻そうとしているのだ。

わたしにいくら未練があるとしても、それはわたし一人が抱えていればいい。

……あ、違う。
こうやってネットに書き散らせばいい。
彼女はここを見ないだろう。
ネットのせいでわたしがトランスしてしまったと思っているだろうから。
だからこそ、わたしは正直に書いている。

ただ、夢に未練が現れるのが、それだけがつらい……
わたしの日常では、もうそんな感情なんて消えかかっているのに。

だからわたしは眠りたくない。
(眠りたいけど眠れないのではない)
01月04日(火)
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