ID:51752
原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■少し平安を取り戻した
★1・少し取り戻した平静/平安
★2・Re:「無茶」
★3・理由(わけ)



★1・「平静」?「平安」?それはよくわからないけど

あるところで
おまえはどうして妻と別れたのか
と聞かれて、以下のように答えた。

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わたしは自分が彼女に対して(たぶん今で言うなら)「DV加害している」という自覚は全くありませんでした。
ただ、彼女とわたしの間にとても多くの行き違いがあり、またお互いに傷つけあってしまったせいでお互いの気持ちがどうしてもわかりあえないようになってしまっていたこと、お互いに一緒に暮らすことでその傷はむしろ深まっていってしまうであろうこと、そういうことが見えてきたのです。

そうは言っても、当時のわたしには彼女の気持ちを推し量るような余裕はとてもなく、なんで彼女が怒って実家に帰ってしまったのか、ほとんど理解できませんでした。
ただ、彼女がそこまでするからにはわたしはよっぽどのことをしてしまったのだろう、ということだけはわかりました。

それで、彼女が逃げたことへの復讐も実は半分はあったのだけれど、「離婚」という結論を出したのです。

当時のわたしのやり方は、それすらも暴力的だったと思います。
けれど、結果的にはお互いに少しずつ心を落ち着けていって、お互いのことを以前よりは肯定的・受容的に考えることができるようになり、少なくともわたしは彼女の気持ちが少し理解できるようになってきました。

それはわたしにとってものすごく幸いなことです。
なぜなら、わたしは彼女を愛しているから。
誤解したままで憎しみあって離れていってしまうのではあまりにも悲しいから。
正直なところ、彼女の気持ちが理解できてしまうことは、それだけわたしにとって強い後悔や彼女の苦しみへの共感、どれほどわたしが愚かだったかの自覚、そういうものをもたらしてしまうので、できれば気付かないでいたほうがよっぽど楽だっただろう、という気さえします。
でも、それでもなお、気付いてよかった、と思っています。

彼女のほうでは、わたしを「ちゃんと憎む」ことができるようになっただけなのかもしれません。
わたしを忘れ去ることしか、彼女の心の平安を招くことができないのかもしれません。
でも、それならそれでかまいません。
彼女には幸せになってほしいし、そのためにわたしについて彼女がどう思うかということで、わたしのほうが振り回されるべきでもないと思うから。

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補足です。

>彼女のほうでは、わたしを「ちゃんと憎む」ことができるようになっただけなのかもしれません。
>わたしを忘れ去ることしか、彼女の心の平安を招くことができないのかもしれません。

と書きましたが、本当にそう思っているのか、それともわたしのことを肯定的に考えてくれているのか、そういうことは一切わかりません。
なぜなら、彼女から「もう一切連絡してこないで」と言われたから。
その真意もわかりませんが、彼女がどうしてもそうしてほしいのなら、そうしてあげるべきだと思うので、時々気が狂うほど話をしたくなってしまうことはあるけれど、とりあえず我慢できるようになりました(ついここ1年ほどのことですが)。

相手をちゃんと理解するのに、どうしてもお互いにちゃんと向き合って話し合わなければいけないかといったら、必ずしもそういうものではないような気がします。

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「DV加害」と言ってもピンからキリまである。
おそらく、わたしのしたことを聞いた男性のほとんどが「その程度なら」と思うのではないか。
わたしの言い分だって聞いてくれるだろう。「無理もないよ」と。

でも、同じことを聞いた女性の多くが「それは確かにDVでしょう」と思うだろう。
わたしがどれほど苦しかったかを長々述べても「そんなの言い訳よ。だからって暴力が許されるはずないでしょう」としか言われないだろう。
自分でもそう思うし。


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08月28日(土)
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