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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■「基本に立ち返る」
(↑タイトルの言葉には、ちょっとフラバしてしまう嫌〜〜〜な思い出もあるんだけど……)

わたしは、自分が生きる時に忘れてはいけない「基本」を忘れかけていたような気がする。

わたしには、捨て去った家族がある。
わたしは、この人たちのために自分が真っ当に生きる、幸せになる、そういう義務があるのだ。

もちろん、あの人たちはわたしがどんなふうに生きようとしているか、知りはしない。
知らせる義務もない。いや、知らせる権利がない。それ以前に顔を合わせる権利がない。
あの人たちとわたしは、今は直接関わることが許されない関係だ。
だから、わたしのほうも、あの人たちとは全く関係ないところで幸せにならなければいけないのだ。

でも、「全く関係ないところで」といっても、それはあの人たちのことをわたしが忘れてもいい、ということではない。決して、ない。

忘れてはいけない。でも、関わってもいけない。
両方を守ることは、わたしにじんわりとした苦しさ、辛さをもたらす。
けれど、それを受け入れて生きることが、わたしにとってはとても重要なことだ。

こんな年になってしまうと、今更自分だけのために生きることなんて、できはしない。
あんまり興味がないのだ、自分がどうなろうと。
頭をまっすぐに立てて生きるには、何か理由が必要になってしまう。
で、けっきょくは「自分のために」言い訳でもなんでも、理由付けをしなければならない。
こんなの、矛盾している。
でも、どうやら、そんな生き方しかできないのだ、わたしは。

わたしは今年の年頭にはこの1年をどう切り抜けて生きるかについての方針を立てなかった。
だいたい1年おきに、きちんと方針を立てる年とそんなことをしない年がやってくる。
方針を立てない年は、はっきり言って状況に流されて生きてしまう。
でも、途中でそれ以前に立てた「方針」が蘇ってくることもある。

今年、わたしは今ごろになってだけど、わたしが生きていく理由、「基本」を思い出した。

わたしは良い意味で「基本に立ち返ろう」と思う。
だから、ライブをもっとやるし、本も出すんだい!(いや後者は難しいかも)

そうして、わたしは幸せになるんだ。
あの人たちのために、わたしは幸せにならなければならない。
不幸になったら、あの人たちへの面当てになってしまう。
それに、たぶん迷惑がかかるだろう。
わたしは、自分の幸せをつかむことで初めて、あの人たちへの罪を償うことができるんだ。
05月23日(日)
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