ID:51752
原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■「911」に寄せて
★1・「911」「中秋の名月」「火星大接近」……
★2・月と火星
★3・信仰
★4・「119」



★1・「911」「中秋の名月」「火星大接近」……

なんか、いろんなことがいっぺんにあって、何を書いたらいいのかわからない。

「911」は、わたしも含めて割合多くの人たちの中で「風化」してしまったようにも思える。
少なくともわたしは「911」には、人から言われるまで気がつかなかった。

あ。違う。
わたしは「911」からは決してパニックをもらったりしないのだった。
冷静に「911」と向き合うことができるのだ。

「阪神大震災」とか「地下鉄サリン事件」「バスジャック」「池田小事件」などでは、思いっきり自分から頭を事件の中に突っ込んで、誰にも頼まれてもいないし当事者でもないのに、きっちりパニックやっていた。

「911」は、確かにとんでもないテロで、許すべきことではないと思う。
けれど、わたしにはどうしても「自業自得」と思えてしまったし、「一度くらい自分で痛みを味あわなければ懲りないんじゃないか」という気もしていた。

そうして、「テロ組織壊滅」のために、なぜか特定の国家を対象にして、その国から何らの攻撃を受けたわけでもなかったのに一方的に惨たらしい侵略戦争を仕掛けたブッシュと合衆国政府に、完全に幻滅してしまったのだった。
それまでは「アメリカ主導の世界平和もアリかな?」と思っていたけれど、そんなのは見通しの甘い幻想だったと気付かされたのだった。

自分が痛みを感じたときにどう反応するか、あの国は、いや、あの国「も」、こんなにもろいのか。
これじゃあ、世界平和のリーダーシップなんてとれるわけないや。

ということで、わたしはアメリカを「見限った」のだった。

今でもアメリカの侵略について肯定的な見方をしている人は多いと思うけれど、わたしは世界平和のために、ためらわずに言明する。

アメリカは明らかな侵略戦争を起こしたし、その意味では彼らがよく言う「テロ国家」「悪の枢軸」とはアメリカ自身のことだ。
何らかの言い訳をつけてアメリカの犯罪を許してはいけない。

それから……
これも、できれば目を覆って見なかったことにしたいような惨たらしい事実だが、アメリカは自分が加害者である戦争について、被害者に対して一切「戦後補償」をしたことがないのだった。
ベトナム、中南米諸国、アフガニスタン、そうして今度のイラク……
(わたしが知らないだけで、まだまだありそうだ。たいていCIAが暗躍して、戦争の相手国に都合よく「悪役」を仕立て上げ、「だからアメリカは悪くない」ということにしてしまうのだ)
アメリカの繁栄は、無責任の上に成り立っているだけだったのだ。

責任逃れのいちばん最初は、日本に投下した原爆だろう。
「戦争を早く終結させてアメリカの犠牲者を最小限に抑えるため」という口実は、今わざと「アメリカの」という一言を加えただけで、どれほど利己的で無責任な考え方か、一目瞭然だろう。
この口実のために、日本人はアメリカを適切に憎むことすらできなくなってしまった。
「共依存」(←この言葉はもう古いし不適切だと批判されているが)の日本は、アメリカのこの「悪い癖」を助長することに一役買うようになってしまった。
「わたしが味方すればこの人はもう原爆を落としたりしないだろう」=日米安全保障条約 (ああこれってDV構造だったのか)

下を向いて頭を振ってしまいたいような、耐えがたい事実だ。

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★2・月と火星

「中秋の名月」は、けっこう厚い雲の間から、半ば強引に見えていた。

けれど、大接近している火星は、雲の間のどこから見えるかすらもわからなかった。

物理的に小さなできごとは、大きなできごとの陰に隠れてしまうものだ。

だからわたしは、1日に1回しかニュースを見ないことにしている。
大きなニュースを何度も見ることで、小さな、けれども大切なニュースがわたしの感覚の中で埋もれてしまう、そういうことがないように。

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09月11日(木)
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