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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■Anyone to help me...? 9/23ライブ中止
わたしはDV加害者でした。
もう3年も前にそれは終わったし、相手=元配偶者だった人は不問に付しているし、たぶん騒ぎ立てるほうがよほど相手の心をずたずたにしてしまうと思うので、わたしもそのことについてなんの補償もせず、できるだけ彼女とは接しないようにして生きています。
でも、今でもわたしの心の中で、ざわざわ騒ぎ立てる何かがいるのです。
そのせいで、ある掲示板に自分のことを書いてしまいました。
そしたら、心無い人が、そのことをネタにわたしをゆするようなことを書くのです。
ネット上で書いたことだけをネタにしているので、はっきり言って事実無根な勘違いまでされていて、正直言ってとても悔しいです。
わたしは、とっさにその「心無い人」が、あるわたしの知っているいやな人だと思ってしまったけれど、(たぶん大半は本当にその人なんだろうけれど)全てがそう、と決め付けてしまってはいけなかったのでした。
わたしには調べようがないから。
それから、わたしの心は音を立ててきしんでいます。
きっと、わたしに悪意を抱いている人は「ざまあみろ」と思うでしょう。
また、わたしを「支配」したいと思っている人は、自分がわたしに対して影響力を行使できて嬉しいでしょう。
わたしにも、そうした「影響力を行使したい、他人を支配したい」という気持ちが全くないわけではありません。
むしろ、たとえばネット上で、過去にそういう気持ちを抑えられずに人をつけまわしてしまったことだってありました。
でも、それって「ストーカー」でしょう?
今のわたしにはその自覚があるので、そういうことは一切したいとは思いません。
過去の過ちが現在の自覚で帳消しになるほど、世の中は「甘くはない」のでしょう。
(「世の中甘くない」という言葉を使うのはいやだけど;本当はわたしが思っているよりもずっと世の中は「甘い」はずなので)
でも、自覚があります。
自覚して生きるのは、ものすごく辛いです。
自分自身に犯罪者の烙印を焼き付けるようなものだから。
焼印は、ことあるごとに痛みます。疼きます。
わたしは、無理して男の役割をまっとうしようとして勘違いの努力を続ける中で、誤った「男ジェンダー」として「DV」に走ってしまったのです。
そのことを自覚したとき、「もうこんなくだらない努力は止めよう」と思ったのです。
だから、妻子がいたにも関わらず、女に戻る決意をしたのです。
本当は、離婚などしないで、幸い彼女がしっかりした職を持ち、わたしが働かずに家事に専念しても生活が立ち行く目途があったから、わたしは子どもに対する責任も自分が育児を担当する、というかたちで担っていきたい、と思っていました。
ところが、それは彼女の思惑とは全く相容れなかったようで、彼女には完全に拒否されてしまいました。
あくまでわたしに対しては「男として社会適応して生きていくこと」を、彼女はわたしに突きつけたのでした。
わたしにそれができそうもない、とわかると、彼女はさっさと子どもを連れて実家に帰ってしまい、わたしは一人ぼっちになってしまいました。
もしかしたら、彼女はわたしにそういう「制裁」を与えることによって「改心」するとでも思ったのでしょうか。
でも、わたしにはそんなこと、できるはずもありませんでした。
彼女に捨てられたわたしにできることは、離婚届を作って役所に提出することだけでした。
本当に、悪夢のような時期でした。
世間的に見たら、わたしが悪いのです。
「妻子を捨てて性転換に走った身勝手なやつ」
何度もそう言われ、叩かれました。
でも、だったら、もう限界を越えて自分では止めることもできない状態に更にストップをかけ、たとえば自殺するまで自分を押し殺して生きるべきだったのか?
それとも、わたしが「思い直して」、またDVをぶり返してでも「男らしく生きる」べきだったのか?
わたしは、そのどちらも正解だったとは思いません。
わたしは、40歳になる直前のあの時期、もう男性として生きることはできなくなっていたのです。
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08月25日(月)
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