ID:51752
原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■「やがてイスラム主義の国になるエジプト」だって。
欧米化し、みんなハッピー」と思っているかもしれないが、それは幻想だ。欧
米人が嫌うイスラム主義が西アジアを席巻する可能性の方が高い。

 米国のマスコミや右派(ネオコン)は、同胞団は大したことないと分析して
いる。だがそれは、03年のイラク侵攻の前後に、彼らが「米軍がフセイン政
権を倒すだけで、イラクはリベラルな民主体制になっていく。イラクがイスラ
ム主義化することはない」と言っていたのと同様の、少し考えればすぐにわか
る大間違いである。米国のマスコミや右派の中には(ユダヤ人が多いだけに)
中東情勢に詳しい人が多いのに、なんでこんな基本的な大間違いを繰り返すのか。

 それを「民主化という理想主義に目がくらんでいるから」と単純化して考え
る人が多いが、米国の上層部の人々は、非常に現実的な世界支配の体制を何十
年と維持しており「中東民主化」の部分だけ過剰な理想主義に走ると考えるの
は無理がある。間違いの大きさから考えて、プロならやるはずのない「未必の
故意」に相当する。

 私はやはり、以前から分析してきたように「米政界が1970年代からイス
ラエルに牛耳られてきた事態をふりほどくための、親イスラエルのふりをした
反イスラエルの、意図的な大間違い」だろうと思っている。もしくは、世界的
な覇権体制として見ると、米国が英イスラエルによって縛られている、ユーラ
シア包囲網の世界戦略から米国と世界を解放し、米英に敵視されてきた地域の
経済成長を誘発する多極化戦略の一環としての、意図的な米国覇権の解体再編
策であると考えられる。



この記事はウェブサイトにも載せました。
http://tanakanews.com/110212egypt.htm

(以下略)

02月14日(月)
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