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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■過去のことにしたい話
なぜそれを躍起になって否定したがるのだろうか。
被害者側の人々の論調は、ともすればこんな感じになりやすいけれど、それってもしかしたら「共依存」?
「相手が全面的に悪い、だからいつまでたっても相手は変わらない」と言いながら、相手の暴力傾向を煽って相手が「変わらない」ことを確認することで、実は「だから自分と相手が失敗したのは相手が決定的に悪いからだ」という決め付けを固定したいだけなのではないか。
わたしはそんな、何もかも人のせいにするような共依存的な「弱い女」になりたくはない。
それはある意味、加害者の「男」と「同じ穴の狢」だ。
わたしは、弱くてみみっちい「男」でいるよりも、強くなりたいからこそ「女に戻った」のだ。
……というわけで、わたしは既存の「DV加害者男性像」にはとても違和感を感じることが多いし、加害者の多様性を無視してステレオタイプにはめ込むようなやり方でしかDVに対応できないとしたら、それはとても危険なことだと思うのだった。
ただ、最後にひとこと付け加えると、上のような(やや決め付けはあるものの)「パターン」の理解によって、被害者が見失っている自分の置かれている不当な状況を自覚することはできるかもしれない。
確かに、暴力をふるわれても「これがこの人の愛情表現なんだ」と思い込むことで、なんとか現状を変えないままにしようと思わされている被害者は多いだろうから。
はぁ。
もしかしたら、DVにも「マジョリティ」と「マイノリティ」があるのかもしれないね。
そういう意味では、わたしはマジョリティじゃなくて良かった。
自覚はできていなかったけれど、けっきょくは暴力の温床になっている「家庭」という環境を解消して、暴力そのものから離れることができたのだから。
12月31日(水)
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