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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■断片集
なんて公言して憚らないので、
だったらいっそのこと「ジェンダー翻訳家・通訳」とでも名乗ろうかな、とか。

私は、自分の身体感覚が、(今は「良かった」とはとても思えないけれど)「男性」だったことを覚えているし、
否定しない。っていうか、できない。
その一方で、今は自分が「女性」と呼べる身体感覚を持っていることも、自覚できるし、
両者の違いもよくわかる。

もっと言うと、こんなに違うのに、ただ「あたりまえだろ」と言い合っていたら、
ほとんど何一つ理解しあえないだろう、とさえ思う。

男の人、あなたが咳をしただけで、時にはそれが女性に対して「暴力」になってしまうかもしれない、
なんてわかりますか?

女の人、あれほどえらそうにしている男が、実はどれほどびくびくして
あなたの言葉におびえ、傷ついているか、わかりますか?
そうして、女だったら大して苦労もせずに言葉にできるようなことがなかなか言い表せず、
ふと気が付くと言葉の代わりに手が出てしまっていた……
なんて、わかりますか?(もちろん、わかってやる義務はないけど;暴力は暴力だもん)
(余計な喩えだけど、某元外務大臣(女性)と
それに食ってかかった某元国会議員(男性……え?辞めてない?ヒドイ!!)の
子どもっぽい応酬は、私には「中学生と小学生」ぐらい差があるように見えた。
男性議員のほうがよっぽど怯えているように見えて仕方なかったのでした;
そりゃ既得権益とか族議員とかいろいろあるだろうけど、
そういうことがそもそも幼稚で、今の日本の政治がまだまだ全体的に
小学生の「お山の大将ごっこ」とちっとも変わらない、ということには
ご本人を初めとして政治家の男族は全く気が付いてないのよね……
小学生に台所を任せているのと同じような不安を感じてしまうのです……
って、私自身もそれとほとんど変わりゃしないんだけど;
うちの台所、汚いよー、母が見たら泣くだろうなー(-_-;)

どっちもわかるから私はえらい、なんてトンデモな勘違い、しそうだけど
しないように気をつけます。
(↑に書いた「余計な喩え」みたいなことを、いつまでも言うようになったら終わりでしょ? みっともない!)
何よりも、私は「男と女のことが半分ずつわかる」代わりに、
残りの半分はまるでわからなくなってしまった人間だから。
「男だったらわかるだろう?」「女だったらわかるでしょ?」
……と、いくら私を「仲間」として受け入れようとしてくれても、
残念ながら私にはたぶんわからないことが多すぎると思います。

それは、とても寂しいことです。
でも、それがいちばん「私らしい」と感じるのも、確かなのです。
私は自分の寂しさを少しでも紛らわすために、
せめて、あなたたち「男」と「女」の橋渡しになれたら、
きっととても嬉しいだろうと思うし、
たぶんいちばん人の役に立てる、
そんな気がするのです。

それすらもトンデモな勘違いなのかもしれないけれど。
そうだとしても、私、たぶん死ぬまで気がつかないのでは。
っていうか、気がつく能力があるんだったら、
家庭破壊したりしないよ、きっと。
今ごろどこかで、幸せな家庭で暖かく過ごしていることでしょう。
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02月19日(火)
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