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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■朝の夢 主治医
でも、カウンセラーさんとの「契約」で、カウンセリングは1回30分を目途に、ということにしているので、さすがに時間をだいぶオーバーしているのが気になりはじめ、まあだいたい言えそうだとも思ったしカウンセラーさんも忙しそうになってきて他のことで中断したりしたので、切り上げることにしました。
(そうしないと、わたしはたぶん2時間でも3時間でもしゃべりつづけたでしょう。父からのお説教で長い話を聞かされるのは嫌、とわかっているはずなのに、自分も似たようなことをしてしまう傾向があるのは困ったものです)
受付の若い子に「ちょっと外に出ます」と言ったら、「この近くに最近新しいカフェができたから、そこ行ってみたらどうですか?」と言われて、新しいビルの1階にオープンしたTully's Cafeで時間をつぶすことにしました。
待合室は煙草の煙ですぐにいたたまれなくなってしまうし、禁煙スペースは「ミニ・シアター」だったり「リラクセーション・カプセル」だったりして、ただふつうに(?)「待合室で本を読みながら待つ」ということができないので、外に出て時間をつぶすしかないのです。
でも、行ってみたTully's Cafeは、はっきり言って「ポリシーを失ったスターバックス」という感じで、しかも冷房が効きすぎて寒かったので1時間くらいしかいられず、受付に電話しても「まだまだです」という感じだったので、そこを出て文房具屋さんで30分くらい、それから後はもう仕方ないのでクリニックの外の廊下で本を読んで過ごしました。
で、肝心の(?)「主治医」氏との話合いですが。
2つに分けて考えよう、と話しました。
1.性同一性障害医療について:そちらでは無理なようだから要求はしない。
2.薬に頼らない治療について:なんとかならないか。
結論だけ言えば「どっちも無理だからしかるべき医者がいれば紹介状は出す」ということでした。
でも、でも……
(以前いろんな人から「そういう『でも』を言うのを止めろ」とさんざん言われたことがありました。確かに言い訳は見苦しいのかもしれないけれど、言いたいことがうまく言い切れなくて出てくる「でも」をなんでもかんでも抑え込んでしまうのは、言いたいことを言葉としてまとめることすらも封じ込めてしまうことになるのではないか、という気もします。どちらにしても、わたしは肝心なことを人にきちんと説明するのがすごく苦手なようです。今もそうみたい。ごめんなさい)
わたしは具体的な「これからどうしたいのか」が言いたいだけではなかった。
「主治医」氏は、わたしが最初に受診した時に「ボクはただの薬医者じゃないから」と言った。
わたしのほうからそういう懸念を示したわけでもなかったのに。
その言葉は、わたしの中で、ずっとくすぶりつづけた。
結果的には「先生、あなたは結局自分で違うと言っていた『薬医者』そのものじゃありませんか」と思うようになってしまった。
駅前という立地もあって、抱える患者の数が極端に多くなってしまった、ということもあるでしょう。
でも、人の話をろくに聞きもせずに「ああ、不安があるのね。じゃ薬増やそう…… 薬嫌なの? じゃ、今までの量でいいね。はいっ、じゃあお大事に」という対応を何度もされるうちに、すっかり失望してしまった。
わたしは、彼に対して失望する自分が何よりも嫌だった。
「失望」の元になっている、(もしかしたら根拠に乏しい)「尊敬」というか「理想化」をするのが悪いと言われれば、それまで。
他の医者と出会うきっかけができて(というかそれも「そそのかされた」のかもしれないけれど)、比べてしまったのがいけないのかもしれない。
(↑このような心の動きについて、いくつかのサイトで「境界性人格障害の特徴」として書かれていたので、もしかしたらそういうことなのかもしれません。でも同時に、そんなことを気にしていたら、何一つとして自己主張なんてできないじゃん、という気もします)
「できれば、失望したくなかったです」
と、言うことができました。
診察終了時刻を2時間近く過ぎてしまっていました。
けれど、それでも20分くらいは話を聞いてくれたと思います。
感謝しています。
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09月25日(土)
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