ID:51752
原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
[141553hit]

■おやまあ
で、きちんと問題の所在を明らかにしながら解決するべきだと思う。

っていうか、GID当事者の皆さん、わたしが言うのはほんっと余計なお世話なんですけれど、カウンセリングはちゃんと受けましょうね。
もしも「身体的性別の恋人や配偶者」がいる人は、その人との関係と自分のGIDをごっちゃにしないよう、充分気をつけましょうね。
GID全体が誤解されるのを防ぐために。

……あ。言ってることが自分に跳ね返ってきちゃった。

でも、わたしはわたしの問題と精一杯取り組まなければならないし(それが子どものためでもある)、わたしの元配偶者は彼女自身の問題と精一杯取り組まなければならない。
それは、お互いが自立した状態で行うべきだ。
この記事のトップへ
ページのトップへ


★3・「ふつう」という特殊性
(このことはあんまり詳しく書かないほうがいいのだけれど、これだけは書かせて!)

「ふつう男だったら……」
という言い方を、何度も何度もされた。
そのたびに、わたしは「ああ、この人はそんなにがんじがらめになっているんだ(かわいそうに)」と思うようになってしまった。

なんか、社会的ステイタスの高い職に「男として」就いていたほうが、今みたいに定職も持たずに性別も「一見女(だけど本当は男なんだろ?)」という状態で生きるよりもいいじゃないか、ということをしつこく言われたような気がする。
けれど、それ、わたしにとっては「はぁ!?」の世界なのだ。

確かにわたしも、そういう「縛り」の中で生きていたことはあった。
でも、それがどれほど無意味か、全身でわかってしまった今となっては、いくらそういうことを力説されても
「ああ、この人(『ふつう男は』を連発する人)かわいそう」
としか思えないのだ。

(はるか昔のことはよく知らないけれど、少なくともここ百年ほどの間は)「ふつう」というのがそのまま通用するのは、せいぜい10年がいいところだと思う。
誰もがいつまでも変わらない「ふつう」を求めてしまうものなのかもしれないけれど、どんなにしがみついてもそれはせいぜい10年くらいしかもたない、脆くて儚くて、根拠レスな「思い込み」に過ぎないのだ。

「人を殺すな」が「ふつう誰でもそう思うに決まっていること」?
冗談じゃない。戦争が起きてしまえば、敵国人だけは殺していいことになってしまうじゃないか。
そんな「常識の転覆」は起きてほしくはないけど。

わたしは「考えるまでもなくふつう当たり前」といわれるような「常識」は一切信用していない。
そういう考えもある、ということを自分がものごとを判断するときの参考にするだけだ。
そのくらいにしておかないと、道を踏み誤ってしまうのだ。
(わたしには現実にそういう体験があったし、たぶん多くの人にとってそういうものなのではないだろうか。
「己の欲するところに従えどもおのずから規を超えず」ということわざにもあるように?←意味を間違えて捉えてるかもしれないけど
「考えるまでもなく当然のこと」というのは、実はよほど人生の全てを経験し尽くした高齢者か、神のように全てのことを見通せるほどの達人にしかできないことだと思う)


あ、そうそう。付け加えておこう。

わたしは、無理して男のフリをして「まともな仕事」をして、「ちゃんと家庭を維持」していた頃よりも、女に戻れた今のほうがずっと幸せだ。
経済的に不安定でも、社会的に差別されやすい立場でも、少なくとも「自分でいられる」から。
この記事のトップへ
ページのトップへ

09月28日(日)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る