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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■性同一性障害を考えるフォーラムinしずおか、本日開催!! (+6/21追加記事あり)
人間は他の動物と違って「本能に障害がある」。←わざと「障害」という言葉を使ってみた
その障害を克服するために、大脳の機能、つまり「知性」「理性」を発達させた。
壊れた本能が自分や他人の命や安全をむやみと脅かしてしまうことがないよう、あるいは群れの秩序を築き上げることができるよう、本能の代わりにもっぱら「頭を使って」命や安全を守ったり、「群れ」=社会の秩序を形成したりしているのだ。
実はねー、わたしの最近の趣味の一つに、「サルの百科」を寝ながら読む、というのがあるのよー。
ぜんぶで75種ものサルについて、字数は限られているものの、かなり的確にその生態を説明している。
それを読んでいると、人間ってやっぱりサルの延長上、あるいはそこから逸脱したところにいるんだなー、と思わされるのだ。
人間ほどひどくはないけれど、サルの多くも、生息する環境に適応するために、本能の一部を変化させて独特の生態を見せている。
類人猿なんか、なまじ人間に近いだけに、人間であるわたしにとっては「こういう生き方ができたらよかったかも」とさえ思わされることもある。
人間のわたしがサルに対していちばん「うらやましい」と思うのは、彼らはみな、人間みたいに際限なく貪欲ではない、ということだ。
人間以外の動物は、みんなとても「お行儀がよい」のだ。
群れからある者を排除するときでさえ、とても慎み深く、なおかつ厳しく、本能に従って行う。
いちいち考えて、頭を使って「知る」「理解する」ということがないと、まともな行動が一切とれない人間としては、本当にうらやましい限りだ。
同じ群れ……今では世界全体が一つの群れになっている、といっても過言ではない……の中で、壊れた本能のせいで勝手に殖えすぎたくせに、それをどうにかしようとして殺しあう。
人間以外に、こんなに愚かなこと……これを「戦争」と呼ぶ……をする動物、いないぞ。
おわあ、話がまるっきり逸れてしまった!
つまり、つまりですねー、本能が壊れた人間さまとしては、「知る」「理解する」ことによって「生理的嫌悪感=差別」を克服することができる、ということが言いたいのですよ!
「生理的嫌悪感」は生理的なものだから変えられるはずがない、という考えを変えなければならない。
そうしてもらわないと、性同一性障害の当事者の中には生きていくことができない人だって出てきてしまうかもしれないのだ。
つい数十年前まで、北米やオーストラリア、あるいは南アフリカにおいて、白人は黒人に対して「生理的嫌悪感」を持っていただろう。
それが正当化されていたからこそ、差別が容認されていたのだ。
今は、それは許されていない。
それでも「生理的嫌悪感」を持つ白人がいるから、黒人に対して差別的な事件は後を絶たないのだろう。
でも、わたしに言わせれば、それは自分の「生理的嫌悪感」を野放しにしている、露骨に言うと「頭の悪い」白人が悪いと思う。
なぜ「頭が悪い」とまで言うのか。
それは、その気になれば克服できるのに、そうしようとしないから。
差別を克服しようとしない者は、愚かだ。
壊れてまともに機能していない本能に従おうとしているから。
そんなものに頼っていたら、まともな判断はできない生き物なのだ、人間は。
……と、なんか滅茶苦茶恨みがましいことを言ってますけど、ちゃんと具体的なところに話を戻すと。
性同一性障害の当事者に対して「気持ち悪い」と思う人は、当事者の一人でいいから知り合いになって、その人が自分と同じ「人間」であることを知ってほしい。理解してほしい。
同時に、当事者に対して注意を促したい。
「オカマはいつでも男に飢えている」というのを地で行くような態度を周囲にふりまく人がごくたまーにいるけれど、それは止めて欲しい。
そういうステレオタイプが、非当事者の「生理的嫌悪感」を煽っていると思うから。
(はっきり言って職業でオカマやってる人たちだって、そんな人はめったにいないぞ!)
もちろん、「飢えている」ように振舞う人の理由もわかっている。
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06月14日(土)
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