ID:51752
原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
[142120hit]

■「程度の問題」としての「性別二元論」
 タンパク質の分解や血糖値の調整をするステロイドホルモンを分泌しています。
 また微量ながら性ホルモンを分泌しています。
 先天性副腎皮質過形成症は、先天的に副腎が肥大しており、
 ステロイド、アンドロゲンを過剰に分泌していて、
 女児の胎児の場合、アンドロゲンが過剰に分泌しているので、
 外部生殖器の男性化が発現して表れて誕生し男児として誤認されました。
 そのため1989年に新生児マス・スクリニークングシステムの指定疾患と指定されました。
 日本での先天性副腎皮質過形成症の発症率は、15000/1であることが解りました。」

 (重篤型)
 「脱水、哺乳力の低下、嘔吐、等の様々な症状を発症する塩喪失型や高血圧型は、緊急を要します。」

 (単純男性型、無症状型)
 (*ここはPesfisからの引用ではないけれど*
 出生時に顕著な症状が現れず、外見だけで性別判定されて「男子」とされてしまうケースのこと)

 *なお、「Pesfis」では次のようなカテゴリも上の二つと分けて記述している:
 (顕著に陰核が陰茎化し(尿道も含む)陰唇が陰嚢化している CAH)
 *(これも引用ではありません)ただ単に文章だけ読んで「医学的分類」として考えると、
 一見「単純男性型、無症状型」と大きく違わないような気がするけれど、
 「生き方」の面から捉えると、↑前者は「女児として育ててください」とある一方で
 後者は「男児として……」となっていて、
 「程度の問題」でそんなに大きく違ってしまうんだ、とびっくりさせられてしまいます。*

・KS(クラインフェルター症候群):
 「X性染色体の数的変異で、47XXY、48XXXY等の構成で、
 精巣は両側小形精巣に分化していています。
 またクラインフェルター症侯群は、不妊症治療で発見されるのがほとんどです。」

 *(引用でなく里花の感想)↑の説明のいちばん下の行は、なんだかちょっと……という気が。
 少なくとも私は、KSの中の少なくない人たちが「不妊」以外の性自認の問題とか余病の問題とかで
 悩んでいる姿を見てきたのです*

・XX男性:
 「1991年に遺伝子SRYが発見され、性腺はSRYによって精巣に分化する事が解った。
 XX男性の場合、遺伝子SRYがX性染色体の塩基配列に転座し、
 性腺を精巣に分化し、男性化が発現します。
 性を性染色体のみで、二分化するのは不可能であるにもかかわらず、
 国際スポーツ大会で、女性選手のみに性染色体の検査が行われています。
 個人の『遺伝子情報保護』に於いて非常に問題である。」

 *(これも感想です)Pesfisの記述だと、
 上のように「スポーツにおけるセックスチェック」が問題にされてるけれど、
 (最近話題になった)競艇選手のFtMの人のことと、どこか重なるような気が*

……はぁ。やっと引用だけ終わった。(もう1時間半くらいたっている(-_-;)
たぶん、これで「全て」ではないだろう。

で。
こんなに多くの「性」があるのに、なんで多くの人たちは、性を「男と女の二つ(だけ)」と捉えるのだろうか。
時代も地域も超えてたいていそうであるのは、いったいどうしてなのだろうか。

なんか、難しい言葉がぼろぼろ出てきてしまって、
書いている私もうざったくなってきたので、簡単に済ませちゃおっと。

「男と女だけ」なのではなく、「いちばん多いのが(XXの)女と(XYの)男」なのだ。
それ以外の性の人が少ししかいないということから、
多くの場合、無視されてしまっている、それだけのことなのだ。

ただ、話がなんとなく「きな臭い」感じに思えるのは、
なぜか「生殖」のことと重ねて論じられて、
「男と女だけ」とすることが「正しい」ことであるかのようにされることだ。
なぜそれが「正しい」のか。事実じゃないのに。

「性別は男と女(その二つだけ)」という理解のしかたは、
「日本人は黄色人種だ」というのと同じくらい大ざっぱで、
時には大きな見当外れだったりしてしまうこともある。

[5]続きを読む

05月09日(木)
[1]過去を読む
[2]未来を読む
[3]目次へ

[4]エンピツに戻る