ID:51752
原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■最終日……楽しみきった!!
 大きな弧を描いて墓碑の上に張り出す枝と墓碑の間に、空が見える。

 私はその空に「天国への扉(?それとも窓?)」を見るような気がする。
 窓辺には私とFくんのお父さんとお母さんがいる。
 二人は穏やかに、幸せそうに笑っている。

 なんだか、私もこのお墓に入りたい、と思うようになってしまった。
 もちろん、生きられるだけ生きてから、ね。

 墓参が終わってから、霊園の中で私とFくんと二人、
 霊園の前にあるコンビニで買ったおにぎりをぱくついて
 ちょっと少なめなお昼を食べた。
 「こんなふうに過ごすのは久しぶりだな」とFくん。
 私はそれに「何年くらい前から?」と
 ニュアンスとしては彼自身のこと、として聞いてしまって、
 言葉では聞くことができなかったけれど、
 私にはFくんが「アヌキ」(←ちょっとイヤな響きだけど、
 Fくんが私をどうしても呼ばなければならない時の言い方;
 「アニキ」と「アネキ」の間だそうで(-_-; ……ま、負けた)である私と
 こうして公園で気持ちの良い風を浴びながらおにぎりを食べることを
 「(たぶん、ものすごく)久しぶりのこと」として
 楽しんでいたのだ。
 それは、私も同じ気持ちだった。
 至福のひとときだった。死ぬまで忘れたくない思い出。
 できれば、私が死んでからも誰かに語りついでもらいたいほどの、幸せな思い出。

★ハプニング!
 痛い足と重たい荷物(だって、墓地にもベースとばいおくん、持っていくしかなかったし)を抱えたまま
 ようやく東京駅に到着、新幹線に乗り込んだら、
 帰ってから地元で一緒に演劇を見る人たちのうちの一人であるみねみねくんが
 同じ列車に乗っていたのだった(^^;

 彼からメールが来て「今乗りました」だって!!
 私は彼のタイトルの「Re:」のあとに「え!?」と付け加えて返信した。
 静岡駅で合流。

★演劇を見ました。=らせん劇場『例えばシンデレラとか?』
 総勢8人、そのうち4名がGID当事者!

 お芝居は、「シンデレラ」のお話を軸に、いろんなお話をmixさせたような内容だった。
 ある意味、かなりエンタテインメントだったと思う。
 すっごく楽しかった!!

 それにしても、いろんなお付き合いの人が来てくれて、
 ある意味「Mix」な状況が楽しめた。
 ていうか、ホントに、楽しかった!!

 打ち上げにも参加させてもらった。
 8人ぜんぶじゃなかったけれど、半分の4人が残った。
 (差し入れ忘れちゃったくせに最後まで居残った、っていうか居座った、っていうか(-_-;)

★そうして、私の家までみんなで来て、
 1時間半も語り合っただろうか。
 そんなことをこの家でできるなんて、思っていなかった私は、
 ちょっとどきどきしながら、ほとんどおもてなしなんてこともできなかったけれど
 みんなとお話したのだった。

明日はコンビニでバイトだというのに。それも「8時間」。

でも、一生の間に、これだけ密度の濃い、内容も豊かに「多様性のある」ものになった、
それを喜びたい、と思った。
今でもまだ、思っている。

05月05日(日)
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