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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■My Favorite Body ちゃりんこ 「なんじゃもんじゃ」 他
地球上で、人間が生存するのにごくごく基本的な条件を作り出すことに
常に協力する存在。
私にとって、リスペクトの対象。――
その城北公園に、どういうわけか今日、深夜のこんな時間に来ている。
バイト先の同僚で興味のあることがらのけっこういろんな部分が共通してる
(だからおしゃべりしていて楽しい♪)みかんちゃんが
「城北公園で『なんじゃもんじゃ』見てくださいよ!」
と、強力におススメだったのだ。
で、先週くらいからみかんちゃんはそのことで騒いでいて、
周囲の友人数名(含・里花)に行って見てごらん、と頻りに奨めたのだけど、
不誠実な友人たちはけっきょく行くことができなかった。
私は残念だと思っていたし、みかんちゃんのちょっと尋常ではないおススメに
実はとても興味を惹かれていたので、
その友人数名で「まったりお茶しましょう@CASA」をやっているところに
私も加わったとき、
城北公園がすぐ近くだし、深夜でもいいからぜひ行ってみたい、と
主張したのだった。
で。
……思い返すと、やや得体の知れない3人組―けっきょくそれだけの人数が残った―が
深夜の城北公園を徘徊するのは、それだけで巡回勤務中のある種の公務員から
「職務質問」とかいうのを受ける可能性があったかも……
行ってみました、城北公園。
日付が変わる頃。
(私たちの世代にとって、あの地点にそんな時間に行くのは、相当な勇気が必要だ。
だって、かつてここにあった大学が移転してしまった後、
事なかれ主義の地方自治体ともう一つ上級の自治体の間で
この場所をどう領有してどう利用するか、何年もの間(二十年以上?)
うだうだともめてしまい、その間手をつけることができずに放置された敷地は
ほとんど「ゲゲゲの鬼太郎の別荘」みたいな状態になっていたのだ(-_-;
その事実や雰囲気を覚えている者は、なかなかあの地域内には足を踏み入れないかも……
今はすっかりお上品な「公園」に様変わりして、
さすがに鬼太郎くんも退去しちゃったのかなー、っていう感じだけど)
それは花木だった。
みかんちゃんは、
「ピークは先週の月曜くらいだったから、今は下のほうから茶色く変色しているけど
だから夜観たほうがきれいなのかも」
と言っていた。
もとあった大学で言ったら「正門」のあったあたりから、公園の敷地に入る。
「ほら、あれですよ」
とみかんちゃんが言うほうを見ると……
ちょうど「雪をかぶった木」のように見える情景が。
「なんじゃもんじゃ」という奇妙な名前を持つ花木は、
へたすると桜に匹敵するのではないか、と思わされるほど立派な
真っ白な花を無数につけた木だったのだ。
はじめは、たまたま正門近くのヒマラヤ杉の間から
1本見えるだけだった。
もっと奥に入っていくと、2本、3本、……
「花時計」が築かれているあたりまで来ると、
気が付けば私たちのまわりはほとんど「なんじゃもんじゃ」で取り囲まれていた。
「うわあー、すごい」
私と、もう一人この蛮行につきあってくれた「やまも」くんは
ため息混じりの叫び声をあげてしまった。
ところどころに置かれた水銀灯の光に、ぼわあっと浮かぶ白。
ちょっと蛍光でも入っているかのように、闇の中に浮かびかける色は、
昼間に太陽光の下で見たら眩しいほどだろうな、と感じる。
でも、人工的な蛍光色とかじゃない。
闇に浮かぶ様子は、雪の白とどこか共通するものがあるかのようだった。
もう暖かくなったというのに、
まるで過ぎてしまった「冬」を懐かしんで「擬態」でもしているように、
枝葉の上に乗っかるようにして夥しい花がついている。
しかも、ほとんど雪が降ることもなく、
まして葉のついた木にそんなふうに雪が積もっている情景なんて、
そうそう見られるもんじゃない、……
と思い返してみると、
実はけっこうシュールな風景?
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04月28日(日)
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