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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■「1月19日の日記」
私はセックスワークについて、そんなに多くの現実を知っているわけではない。
ただ、そういう、ひとまとめにして言ってしまえば「性労働」に従事している人たちが、
(「女性たちが」とは言わない。「男性」だって「性労働従事者」であれば同様に見られる)
あまり尊厳をもって見られることがない、という状況は、
売買春が「本質的」にいいか悪いかということはいったん措いてでも、
大きな問題であるように思えてならない。
そのことについて、今の私には、昔みたいに
「当たり前じゃないの。『まともなことじゃない』んだから!」
と決め付けてしまうことはできない。
ただ、私にわかることは、私自身が「自分の尊厳を十分に守って性労働をする」ことはできない、ということ。
(あと、たぶん性労働まがいのシーンばっかり撮っているエッチビデオかなんか見ているせいだろう、
それと同じようなことを強要させられる「ふつうのセックス」も、私はいや。はっきり言って、イヤ!
なぜか多くの男たちがそういうものによってすごく薄っぺらなステレオタイプのセックスのイメージを
植え付けられているように思えて、怒りが……というか、侮蔑の笑いが、込み上げてくる。
それで女が満足する、と、そういう男たちはかなり本気で信じているらしい。
そういう男とは付き合いたくない。
女を大切にすることを体験的に学ぼうとしない男は……
でも、私、そんなにしっかり見抜けないからなあ……
何しろ、女としてはほとんど「初心者」←ってどういう意味ぢゃ?! だけど(-_-;)
もしもセックスワークが「芸術」の一種であれば、やってみたいような気がする。
男でも女でも(っていうか「芸術」だったら男女の垣根はないと思う)、
どれほど性的に興奮させ、どれほど私を崇拝し、どれほど私を求め、欲しがり、
どれほど私に満足するか……
そうして、性における美というものを、どれほど人が嘆息混じりに感激するか……
それを極める仕事だというのなら。
でも、それって、物凄い修業が必要だと思うし、
ギャラも物凄く高くなると思う。
他の芸術関連の産業よりも、最低でも25%は余計に欲しいし。
だって、いくら芸術のためって言ったって、
自分の「プライベートゾーン」を他人にさらすんだよ?!
芸術だとしたら、最も高いコストがかかるし、
それに見合った報酬をもらえなければ、絶対に割が合わない。
あたりまえじゃん、そんなの!
とても悲しいことだけれど、それを実現できている人はとても少ないと思うし、
たぶんそういう人はそうなった時点で既に
「高嶺の花」「ベテラン」「もう現実にヤリてえとは思わねえなァ」……
といった評価を下され、もはや「性労働」として成立するような仕事はできないのではないか。
(だいいち、なんで性労働っていうと20歳前後の若い子ばっかりちやほやされるの?
ま、「ちやほや」なんて言っても「首から下だけ」なんだろうけど……うっぷ)
(男どもよ、私を「裏切り者」とでも何とでも呼ぶがよい。
男に紛れ込んでそういう会話を何度聞かされたことか!
その気持ち悪い体験の恨みを、今ここで晴らしてる……のか、私は。
はあ、バカみたい……)
……と、寝言みたいなことしか言えないので、
現実に存在する「性労働」は、私にはゼッタイ不向きだと思う。
あ、お願いしたってやらせてはくれないか。こんな「生意気なこと言う女」は。
(「生意気なこと言う女はいらない」っていうのも大きな問題だと思うけどなあ……??)
それとも、私がけっきょく「男の性指向(あるいはファンタジー)」について、
その程度の薄っぺらなものしか想像できないのが間違っているのか。
私自身は「男だった頃」から、そんなファンタジー持ってなかったから、
わかんないのよ。(;_;)
誰か男の性について、崇高なファンタジー持っている人がいたら、教えてくれー。
(除・「実践指導」……今のところは、ね(^^;)
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01月20日(日)
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