ID:51752
原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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■私は「やおい作家」? 怪談(書き直し)
こうやって私のまわりを回るのは、いったいなんだろう。
何かのおまじないだろうか。
私はそう思っていました。
「……ギュッ…………」
足音が、また立ち止まりました。
今度は、私の足元です。
そのとき、何の拍子かわかりません、
私は突然、目を開けてしまったのです!
……そこには、黒い人影がありました。
「姿が見えない」と思ったのは、どうやら私の気のせいだったようです。
でも、それが誰だったのか、私には今でも思い出せないのです。
ただ、その黒い人影と、一瞬、目が会ってしまったような気がします。
私は慌てて目をぎゅっとつぶりました。
黒い影は、そのまま少しの間、そこに佇んでいました。
「……ギュッ…………」
黒い影の足音は、三たび歩き始めました。
「……ギュッ……ギュッ……」
そうして、階段の手前の扉のところに来ると。
……
それっきり、何の物音もしませんでした。
私はしばらく、耳をこらして、その黒い影がまた階段を踏み鳴らしながら
降りていくのを確かめようと思っていたのですけれど、
いくら待っても何の音も聞こえませんでした。
……次に気が付いた時は、もうカーテンの隙間から白っぽい明け方の光が
漏れて入ってきていました。
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本当にあったお話です。
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★3・
……。
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01月14日(月)
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