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原案帳#20(since 1973-)
by 会津里花
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家族には誰も「飲み屋さん」に行って飲む、ということをする人もいませんでした。
でも、これって、けっこう「特殊」な環境だったのかもしれませんね。

実は、私自身は「酔っ払ってわけがわからなくなる」ことがありました。
大学に入ってからのことですけれど。
でも、そういう状態で「はしたないこと」をする自分がイヤで、あんまり飲みませんでした。
「はしたないこと」……男に抱きついたり、女に迫ったり。ああ、バカみたい。みっともない。

ちょうどよく飲めるようになったこともありましたけれど、就職してからはかなり大変になりました。
飲めないと「接待」できないでしょう。
私は、大切なことをお話しているお客さんの前で居眠りしてしまったりしました。

そうして。
何度目かに勤めた職場の上司が、飲むと荒れる人でした。
ある日、その人が荒れてしまって、飲み屋さんから追い出されてしまったので、男4人がかりで押さえつけながら、寝かせられる場所へ、ということで会社の建物へ連れて行ったのですね。
(注:当時の私は「男」でした)
とても力の強いその人は、押さえつけられているのに、まだ4人を振り回します。
そうして、社屋に到着して、いったんその人を地面に降ろして(というより、暴れるので落としてしまった(^^;)、カギを開けようとしていたら、その人はまたむくっと起き出して、暴れ始めてしまったのでした。
当時、私はあまり上手に仕事ができていなかったので、その上司には辛い思いをさせてしまっていたようです。
でも、その人は私を何度か殴って、こう言ったのです。
「おまえ、年は何歳だ? ……(私が答えると)○○歳か。うちの女房と同じ年だな」

このとき、私の中で何かが狂い始めました。
私は、一方でその人に対して「暴力をふるわれる」という恐怖を感じながら、もう一方でその人の背中に抱きつきたい衝動に駆られてしまったのです。
汗のにおい。
太い四肢。
なぜ、その後ちょっと姿を見ただけで身体が硬直するのがわかるほど恐怖を感じる相手に惹かれるのでしょう。
そういう自分の狂ったところが、許せない。
気持ち悪い。

新潟の監禁事件で「逃げられなかった」少女の思いを、私のそういう気持ちと重ねてしまったところがありました。
でも、それ、ぜったい違う!!

私、また、壊れちゃうのかな。
自分で自分を昂ぶらせて。
いやだ、いやだ。
決して、自分で切ってしまうことだけはしないように、って思うのに。
気持ち悪い。
いやだ、いやだ。
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05月17日(水)
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