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doo-bop days
by ブーツィラ
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■マイ・ベスト・アルバム2007
音楽雑誌、ブログなどで年末恒例の年間ベスト・アルバム。今年も懲りずに挙げておこう。
対象は、私が購入した2007年発売の音楽作品。部門は新作と、リイシュー/発掘音源・映像の2つ。それぞれ10作品を上限として特に良かった作品を挙げた。新作、リイシュー/発掘音源・映像ともに順不同。海外盤では2006年以前に発売済みながら、日本盤・直輸入国内盤としては2007年発売の作品も選考対象に含めた。
◆新作◆
■ジョー・ヘンリーの『Civilians』
2007年のロックの新作における、おそらく最良のアメリカン・ルーツ・ミュージック。ソングライターの実力としてランディ・ニューマンなどの先達が引き合いに出されるのも納得させられる。枯れたヴォーカルの味わいも格別。
■ティナリウェンの『アマン・イマン 〜 水こそ命 Aman Iman: Water Is Life』
サハラ砂漠の遊牧民のバンドによる、“砂漠のブルース”と形容されるレベル・ミュージック。絶賛された前作を超える傑作。サウンド・プロダクツも緻密に練られたもので、さらなる大衆性を獲得した。
■トゥーマスト(Toumast)の『Ishumar イシュマール 〜機関銃の代わりにギターを〜』
ティナリウェン同様、サハラ砂漠の遊牧民のバンドで、“砂漠のブルース”と形容されるレベル・ミュージック。ただし、こちらは、在仏トゥアレグ人の元ゲリラ兵&砂漠のギター・ヒーローでもあったリーダーのムーサ・アグ・ケイナが、フランスで出会ったミュージシャンたちと結成したバンド。サウンドから垣間見える反骨精神の強度では、ティナリウェンを凌ぐかも。海外盤は2006年発売。
■オーケストラ・バオバブ(Orchestra Baobab)の『Made In Dakar メイド・イン・ダカール』
1970年に結成されたセネガルの伝説的アフロ・キューバン・バンドが再結成アルバムから約5年ぶりに発表した、過去の作品の再演が中心のアルバム。陽気でご機嫌な曲が多く、アフロ・キューバンを土台とした多彩で幅広い音楽性に溢れている。
■アブダル・マリック(Abd Al Malik)の『ジブラルタル Gibraltar』
フランス在住コンゴ系移民2世による2ndアルバム。ポエトリー・リーディング・スタイルの知性的なラップと切迫感を伴ったサウンドが胸に響く。海外盤は2006年発売。
■ティケン・ジャー・ファコリー(Tiken Jah Fakoly)の『The African』
西アフリカのコートジボワール出身のティケン・ジャー・ファコリーによる、アフリカン・ルーツ・レゲエの会心作。銃を持った男連中がずらりと居並ぶ戦闘的なジャケット写真に怖気づくが、音楽的にはポップで軽やかでさえある。
■バルカン・ビート・ボックス(Balkan Beat Box)の『Nu Med』
ニューヨークの多国籍ミクスチャー・バルカン・ビート・バンドの2ndアルバム。バルカン/北アフリカ音楽の伝統的な諸要素に、ヒップホップ/ブレイクビーツ等の現代性を交配したごった煮サウンドが刺激的で生々しい。
■Various Artistの『Gnawa Home songs グナーワ・ホーム・ソングス』
グナワの聖地モロッコのタメスロットで録音された、グナワの名人たちの共演集。儀式における祈りのような歌とチャント。それらに手拍子とゲンブリ(ベースっぽい音の3弦楽器)、カルカベ(鉄製カスタネット)などが加わって織りなす地味なトランス・ミュージックに、「音楽の根源にあるもの」を感じる。
■バセク・クヤーテ&ンゴーニ・バ(Bassekou Kouyate & Ngoni Ba)の『Segu Blue』
西アフリカの音楽大国マリのグリオ(世襲制の職業音楽家, 口承伝承人)の家系出身で、グリオの伝統的な弦楽器であるンゴーニ奏者のバセク・クヤーテが、グリオの語り継ぐ口承伝承などを、マリ初の試みとされるンゴーニのカルテット編成によって取り上げた意欲作。ンゴーニの絡みを中心としたアンサンブルに、グリオの伝統的なヴォーカルや手拍子、パーカッション、バラフォンなどが加わった穏やかなグルーヴと素朴なサウンドが心地よい。「BBC Radio 3 Awards for World Music 2008」のアルバム・オブ・ザ・イヤー受賞。
■マシュー・ディアー(Matthew Dear a.k.a. Audion)の『Asa Breed』
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12月31日(月)
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