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doo-bop days
by ブーツィラ
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■「ピグミーの森の音楽」 & 帯広カムイトウウポポ保存会
■ノルウェーの完全即興演奏グループ、スーパーサイレントのDVD『7』が、日本盤としても発売される(ボンバ・レコードかららしい。海外盤はPAL方式)。
『www.grinningtroll.com』11/17付「diary」によると、現時点では、12/21発売予定とのこと。
一方、デヴィッド・ボウイの『Yong Americans - 30th Anniversary Edition』(1CD+1DVD)は、『bowieNet』の「11.16.2005 NEWS」によると、2006年3月発売予定。

■『Radio SOTOKOTO』の「ピグミーの森の音楽 〜 人と自然が織りなす悠久のポリフォニー」(2005年11月)で、文化人類学者の分藤大翼氏が現地録音したピグミーの音楽を試聴できる。
分藤氏は雑誌『ソトコト』12月号(11/5発売)に、「ピグミーの森の音楽」という論文も寄稿しているらしい。近日中に『ソトコト』を買おうと思っている。
なお、分藤大翼氏が研究者として名を連ねる『Cameroon Field Station』の「写真館(動画あり!)」において、ピグミーの歌と踊りなどの動画が視聴できる。

■男7人と女7人の2つのグループが、歌詞も旋律も違う別々の歌を同時に歌う「御祝(ごいわい)」。岩手県遠野市の氷口(すがぐち)集落において、江戸時代の末に成立した非常に珍しい形態の音楽で、「御祝」は嫁入りや新築祝いなどの祝いの席で披露されるという。
11/13(日)AM5:30からテレビ朝日の番組『生きる×2』で、「御祝」をたまたま見た。
『第21回〈東京の夏〉音楽祭2005 宇宙・音楽・心』の一つである7/20(水)の「御祝(ごいわい)」紀尾井ホール公演を観に行こうかと考えていただけに、早起きして得した。
公演の最後は、手拍子をしながら男女2つのグループが同じ歌を一緒に歌い、「しめ」としていた。ちなみに、画面に映し出された観客席は、年配の人ばかり。私の世代以下の観客は1人もいないようだった。

■安東ウメ子さん(1932−2004)の49歳頃の映像を見た。
帯広カムイトウウポポ保存会の一員として輪になり、手拍子をしながら、ウポポ(アイヌ語で歌)とリムセ(踊り)を披露するウメ子さん。自宅の居間では、テーブルにムックリ(アイヌ民族の口琴)をいくつか並べ、半袖姿でムックリを奏でる。
「シントコ サンケ」〜「ヘルトゥン ルトゥン」(酒造りの歌)では、保存会の女性たちによるウポポと手拍子に合わせて、実際に白い酒をかき混ぜながら踊るウメ子さんたちの様子も収められている。
あどけなさが残る若い女性はもちろん、当時のウメ子さんより年齢が二回りくらい上のフチ(アイヌの女性の古老)も、5〜6人はいるだろうか。保存会の現会長の酒井奈々子さんらしき方も映っている。錚々たる顔ぶれが揃った映像に違いない。この映像の約3年後の1984年、帯広カムイトウウポポ保存会は、国の重要無形民俗文化財に指定されている。

11月某日、東京・八重洲のアイヌ文化交流センターで、『十勝川 アイヌのうたと踊り』(約50分, 昭和56年制作, 萱野 茂 他監修)を視聴する(もしかしたら、タイトルが少し違うかも)。
『アイヌ文化伝承記録映画 ビデオ大全集』(全23巻?)の一巻で、北海道・十勝地方の帯広カムイトウウポポ保存会による、約24年前に撮影されたアイヌ民族のウポポや古式舞踊などを中心に収録。ウメ子さんの夫である故・安東軍次郎さんと加藤ナミエさん(?)の語り・解説も挿入されている。

安東ウメ子さんのアルバム『イフンケ』や『ウポポ サンケ』で、何回も繰り返し聴いたウポポでありながら、保存会による同じウポポは、テンポやメロディー・ラインなどが違うためか、聴いても暫くしないとそれとはわからないものが多い。北海道幕別町教育委員会が制作したウメ子さんのCD『シリピリカ』とも、もちろん異なる。ビデオを見たことにより、ウメ子さんのウポポは三者三様であると確認できたうえ、ウメ子さんとトンコリ奏者のOKIのコラボレーションとも言える『イフンケ』と『ウポポ サンケ』が、いかにアイヌ音楽の異端であるかも再認識させられた。


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11月19日(土)
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