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doo-bop days
by ブーツィラ
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■マイ・ベスト・アルバム2007
タワーレコード・オリジナル企画による作曲家・松村禎三編。私が初めて買った松村禎三氏の作品。2枚組CDで1,500円という破格の安さながら、内容は文句なし。日本人としての民族性に立脚したアジア的で独自の音世界に、初めて聴いた時にはただ圧倒されるばかりで、日本のクラシック作曲家の実力のほどを思い知らされた。2007年8月6日、肺炎のため78歳で逝去。亡くなる約5か月前、東京・赤坂のサントリーホール大ホールで行われた「伊福部昭音楽祭」において、車椅子姿の松村禎三氏を何度か見かけたのが最初で最後となってしまった。
■山鹿良之の『肥後の琵琶弾き 山鹿良之の世界 〜語りと神事〜 RITES and TALES with BIWA Yamashika Yoshiyuki, Blind Musician of Kyushu』
肥後琵琶の貴重な音源を3枚のCDに収録した後世に遺る作品。琵琶盲僧・永田法順師の6枚組CD(+DVD)のように日常的に繰り返し聴く作品とはなっていないものの、音源の史料価値が非常に高いゆえ選出。よくぞ発売してくれたとさえ思う。平成19年度 第62回 文化庁芸術祭優秀賞受賞。
■お鯉さんの『お鯉 -okoi- 唄声は時代(とき)を超えて』
百歳の元芸妓(げいぎ=芸者)で、唄と三味線の名人であるお鯉さんこと多田小餘綾(ただ・こゆるぎ)さんの百寿記念の自主制作CD(プレス盤)。お鯉さん40代後半から99歳の時の録音で、端唄、小唄、長唄、阿波の民謡を収録したベスト盤的アルバム。なかでも91歳、99歳という大変なご高齢でありながら、艶やかな美声と正確な爪(つま)弾きを披露するお鯉さんには感服するしかない。
■小林ハルさんのDVD『小林ハル 〜渾身の熱唱〜』
1980年代にBSN新潟放送が撮影した瞽女唄(ごぜうた)を演ずる小林ハルさんの映像でつづる瞽女唄集。小林ハルさんが瞽女としてはすでに引退し、養護盲老人ホームに入所してからのもので、生きるために歌い続けた小林ハルさんの歌声の魅力・凄味は、終生減じることがなかったと再認識させられる。高田瞽女の杉本シズさんと難波コトミさんによる「葛の葉子別れ」(トラック3の前半)をカットせずに収録した配慮も実にありがたい。
12月31日(月)
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