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M単★ランキン@馬券道場名人の日記
by ランキン
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■「新美南吉記念館」に行ってきました
加助がひょいと後ろを見ました。ごんはびくっとして、小さくなって立ち止まりました。加助は、ごんには気がつかないで、そのままさっさと歩きました。吉兵衛(きちべえ)というお百姓のうちまで来ると、二人はそこへ入っていきました。ポンポンポンポンと、木魚の音がしています。まどの障子に明かりが差していて、大きなぼうず頭がうつって、動いていました。ごんは、「お念仏があるんだな。」と思いながら、井戸のそばにしゃがんでいました。しばらくすると、また、三人ほど人が連れ立って、吉兵衛のうちへ入っていきました。
お経を読む声が聞こえてきました。
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ごんは、お念仏がすむまで、井戸のそばにしゃがんでいました。兵十と加助は、またいっしょに帰っていきます。ごんは、二人の話を聞こうと思って、ついていきました。兵十のかげぼうしをふみふみ行きました。
お城の前まで来たとき、加助が言いだしました。
「さっきの話は、きっと、そりゃ、神様の仕業だぞ。」
「えっ。」
と、兵十はびっくりして、加助の顔を見ました。
「おれはあれからずっと考えていたが、どうもそりゃ、人間じゃない、神様だ。神様が、おまえがたった一人になったのをあわれに思わっしゃって、いろんな物を恵んでくださるんだよ。」
「そうかなあ。」
「そうだとも。だから、毎日、神様にお礼を言うがいいよ。」
「うん。」
ごんは、「へえ、こいつはつまらないな。」と思いました。「俺が栗や松たけを持っていってやるのに、その俺にはお礼を言わないで、神様にお礼を言うんじゃあ、俺は引き合わないなあ。」
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その明くる日も、ごんは栗を持って、兵十のうちへ出かけました。兵十は、物置で縄をなっていました。それで、ごんは、うちの裏口から、こっそり中へ入りました。
そのとき兵十は、ふと顔を上げました。と、きつねがうちの中へ入ったではありませんか。こないだ、うなぎを盗みやがったあのごんぎつねめが、またいたずらをしに来たな。
「ようし。」
兵十は立ち上がって、納屋にかけてある火縄銃を取って、火薬をつめました。そして、足音をしのばせて近よって、今、戸口を出ようとするごんを、ドンと撃ちました。
ごんは、バタリとた倒れました。
兵十は掛け寄っていきました。うちの中を見ると、土間に栗が固めて置いてあるのが、目につきました。
「おや。」
と、兵十はびっくりして、ごんに目を落としました。
「ごん、おまい(おまえ)だったのか、いつも、栗をくれたのは。」
ごんは、ぐったりと目をつぶったまま、頷きました。
兵十は、火縄銃をバタリと取り落としました。青い煙が、まだつつ口から細く出ていました。
=====
う〜〜む…。思い出したわ…。
なんという悲しい話なんだろう。
ごんとしては、軽い気持ちでイタズラしたのが、兵十のお母さんが最期に食べたがっていたうなぎを奪ってしまったカタチになった。
それを悪く思って、せっせと栗や松たけを置いていたんだけど、そんな事と知らない兵十はごんを撃ってしまった…。
若干17歳でこの童話を書いた新美南吉はやはりタダものではない。
記念館では、南吉の生涯が分かるようになっており、南吉がマジメで頭がよい本好きの少年で、病弱ながらも教師を志ざし、そして苦労しながらも教師となり、充実した教師生活を送っていた事が分かる。
厳しいながらも思いやりのある指導で、生徒からもとても慕われていたようだ。
そんな南吉の生活がわかる、数々の展示物(原稿の草案、生徒への添削指導、生徒とはちきれんばかりの笑顔で歩く南吉の写真など)が飾られていました。
病気のため、わずか29歳という若さでこの世を去った南吉の無念さはいかほどであったであろうか。
死の間際でも、お見舞いのハガキをくれた生徒に返事を書いたり、遺言状として弟を心配する内容があったりと、泣かせる内容でした。
なんかしんみりした気持ちになって通路をいくとお土産コーナーが。
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01月14日(金)
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