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江草 乗の言いたい放題
by 江草 乗
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■ホンダ・プレリュードの憂鬱
ホンダ・プレリュードが復活した。しかし、かつてのプレリュードのようなサイズではなく、
全長: 4520mm
全幅: 1880mm
全高: 1355mm
という堂々たる巨体になっていたのである。全幅がとにかくデカすぎる。これではオレの家の車庫に入らないだけではない。スーパーの駐車場に駐めたら白枠いっぱいじゃないか。両側にデカいクルマを駐められたら降りられないだろ。なんでこんな巨体にしちまったんだよ。
オレがこれまで所有したクルマの中で一番大きかったのは三菱FTOである。そのサイズは以下の通りである。
全長: 4250mm
全幅: 1735mm
全高: 1280mm
我が家の車庫にこのサイズなら無理なく駐めることができた。人生で初めて所有した3ナンバーのクルマだったが、なんとか問題なく乗れたし、駐車時もあまり白枠の大きさを気にすることなく駐められたのである。そのFTOから乗り換えることを一時検討したのがスバルBRZだった。BRZ発売時のサイズは以下の通りである。
全長: 4270mm
全幅: 1775mm
全高: 1310mm
少しだけFTOよりも幅が拡大している。左端にきっちりと寄せれば乗り降りはできるだろうと思ったが、結局購入には至らなかったのである。これは販売店で並べて駐めた時に、「FTOの方が断然カッコいいやん」となんとなく自分が感じたからであり、その後ホンダS660を購入するまではFTOに乗り続け、最終的には22万キロも走ることとなってしまったのである。
オレが欲しいのは、2ドアクーペでありなおかつ小さなクルマなのである。そういう意味では日産GTRなんかは論外なのである。何度も言う、「買えない」のではない。買っても家に置けないので意味がないのである。どうして小さいサイズのクーペを出してくれないのかということなのだ。それなら外車はどうかというと、ポルシェ718ボクスターの場合、サイズはこうである。
全長:4385 mm
全幅:1800 mm
全高:1280 mm
幅が微妙である。実際に駐めてみないとわからないわけだが、これではちょっとためらってしまうのである。
2019年にダイハツがロッキーという5ナンバーのSUVを発売した。そのOEMでトヨタから販売されたライズはものすごく売れた。それは同じサイズのライバルとなるSUVが市場になかったからである。ここに先行の成功事例がちゃんとあるのに、どうして自動車各メーカーは5ナンバーサイズの2ドアクーペを発売しないのか。もはやそういう需要はないと思ってるのだろうか。ユーザーの志向がもはやクーペにはないと見ているからなのか。それならなんでホンダはプレリュードを出したのだろうか。もしもプレリュードを5ナンバーサイズで出せばとんでもなく売れたとオレは思っている。その大きさでは安全性能などの基準を満たせないなどの技術的な理由が存在するのかも知れない。しかし、巨大化したプレリュードは絶対に売れない。それを買えるのはふだんクルマにあまり乗らないお金持ちであり、そういう人たちは実用性という点ではSUVを選ぶだろうし、そうなるとここでプレリュードを出したことは商業的には全く無意味なのである。
まだ試乗したことはないが、プレリュードはきっとすばらしいクルマだろう。デカすぎるという点を除けば全く文句はない。ただその「デカすぎる」という一点だけでオレにとっての買う理由は消え去るのである。
「こんなクルマを出せば絶対に売れる」「こんなクルマは売れるわけがない」そうした消費者のトレンドを完全に読み誤ったから日本の自動車産業は国内販売を減らし続け、若者のクルマ離れを起こしてしまったのである。その大切なことに気付かずにこれからも日産はクソみたいなクルマを出し続けるのだろうし、トヨタは残クレアルファードをDQN御用達として売り続けるのだろう。そして真の国民車となったホンダN−BOXは販売首位を続けるのだと思う。
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12月15日(月)
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